高校側から見た生徒募集、受験生側から見た学校選びはいよいよ佳境に入っていくわけだが、今日は少し先の話をしてみよう。
本日(8月30日)、令和6年度学校基本調査の速報版が発表された。
学校基本調査※ 令和6年度(速報) 埼玉県版 (報道発表資料)
見どころはいくつもあるが、今日のところは小学校児童数に注目してみようと思う。
超少子化の時代であるから、おそらく6年生、5年生と下がって行くにしたがって児童数は減少しているだろう。
と、これは誰でも想像がつくことだ。
では、このことを数値的にどう確認するかだが、とりあえず6年生と1年生の人数を比較してみた。
県内多くの地域において、1年生の数は6年生の数を下回っているだろう。
これは仕方ないとして、その減少率はどのくらいかに焦点を当ててみた。
なお、当然であるが、転入転出があるので、今の小学1年生の数が、そのまま5年後の小学6年生、あるいは8年後の中学3年生になるとは限らない。
◆全体では約8%の減少
県内公立小学校の6年生は5万9656人である。
学年が下がるにつれ減少し、1年生は5万4814人である。
その差は4842人、増減率はマイナス8.12%である。
縦軸数値を調整して、もう少し強調すればこのようになる。
約4800人の減少とは、40人学級に換算すれば120クラス分である。
120クラスとは、8クラス規模の学校15校分に相当する。
◆さいたま市では西区、緑区、南区が増加
市町村ごとに見て行こう。
まずは県下最大都市・さいたま市だ。
全体では6年生1万1804人に対し1年生1万1530人。
減少数274人、増減率はマイナス2.32%とあまり大きくは減らない。
市内10区のうち、1年生の数が6年生を上回っているのは、西区・緑区・南区の3区である。
西区 103人増 プラス13.34%
緑区 143人増 プラス9.88%
南区 7人増 プラス0.43%
だいたいのイメージを持ってもらうために高校所在地で表してみよう・
西区にあるのが大宮光陵・大宮南・大宮武蔵野、私立の埼玉栄。
緑区にあるのが浦和東、私立の浦和ルーテル・浦和学院。
南区にあるのが浦和南、浦和商業、私立の浦和実業学園。
高校に学区があるわけではないが、〇〇区と言ってもさいたま市以外の方はとんと見当がつかないだろうと思い、「ああ、だいたいあの辺ね」とイメージしてもらうために高校名を挙げた。
◆所沢市は横ばい
都市人口で言うと、さいたま市に次ぐ2位が川口市、3位が川越市、4位が所沢市、5位が越谷市となるので、そのあたりを見ておこう。
川口市は60万都市、他の3市は35万都市と考えてもらおう。
川口市 410人減 マイナス8.40%
川越市 316人減 マイナス10.36%
所沢市 27人減 マイナス1.04%
越谷市 180人減 マイナス6.06%
全県平均を下回っているのが所沢市と越谷市だ。
特に所沢市はほぼ横ばいといった状態だ。
越谷市もレイクタウン駅周辺に限れば、1年生の数が6年生の2倍近くに達している小学校もある。
◆上尾市がやや減少率低い
次に20万都市だ。
草加市 248人減 マイナス12.44%
上尾市 88人減 マイナス4.95%
春日部市 194人減 マイナス11.95%
熊谷市 139人減 マイナス9.63%
熊谷市はすでに20万人を割っているが、ここに含めた。
上尾市の減少率が比較的低い。
◆飯能市など増加
ここから先は人口規模は無視して、増減率だけで見て行こう。
6年生より1年生の数が多いのは次の市町である。
飯能市 25人増 プラス4.56%
滑川町 5人増 プラス2.46%
東松山市 13人増 プラス1.84%
本庄市 9人増 プラス1.48%
和光市 9人増 プラス1.28%
僅かな増加であるが、この時代、減らないというだけでも特別な存在と言える。
県内60余の市町村のうち、1年生の数が6年生を上回っているのは、たったこれだけなのだ。
◆坂戸市、杉戸町など減少率高い
減少率も念のため見ておこう。
東秩父村 8人減 マイナス61.54%
長瀞町 16人減 マイナス35.56%
越生町 22人減 マイナス28.95%
毛呂山町 53人減 マイナス26.77%
坂戸市 220人減 マイナス26.63%
松伏町 56人 マイナス24.67%
杉戸町 82人減 マイナス24.55%
日高市 89人減 マイナス24.32%
幸手市 83人減 マイナス23.99%
小鹿野町 14人減 マイナス23.33%
単純に減少率だけで見ると以上のとおりとなる。
東秩父村は6年生13人に対し1年生5人。
都市の規模で見ると、現在6年生が826人の坂戸市、同366人の日高市、同346人の幸手市、同334人の杉戸町あたりが比較的大きな町と言える。
わが町の動向が気になる方は、ぜひ元データをご確認いただきたい。
冒頭の記者発表資料からでもいいが、こちらの方が目的の情報にアプローチしやすいだろう。
↓
令和6年度学校基本調査 速報
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