夏休み中、あまり学校を訪ねることがなかったので久しぶりの学校訪問。
 本日は和光国際高校の塾対象説明会に行ってきた。

 和光国際については昨年10月にも記事を書いた。

 和光国際高校にCLIL(クリル)学習先駆者の授業を見に行く

 これから書くことは一部上記記事と重複する。

◆統廃合と新校について語る
 校長挨拶の中で、今度の統廃合について説明があった。
 同校は令和8年度、和光高校との統合により和光新校(仮称)となるが、和光高校の生徒と和光国際の生徒が机を並べることはない。
 なぜなら、すでに募集停止している和光高校の生徒はその時点ではすべて卒業しているからだ。
 先生についても同様で、学校ごとに教員定数が決まっており、和光の先生が本校に来られることはない(ただし、通常の異動はあるかもしれない)。

 われわれのような第三者は、要は和光の廃校ではないか、分かりやすくそう言えばいいではないかと思うのだが、校長は「廃校」などと口にすることはない。

 同じ県立高校である。
 しかもすぐそばにある。
 まだ生徒も先生も残っており、和光高校生として日々学んでいる。
 かれらは「和光卒業生」として巣立って行く。
 卒業生も大勢いる。

 そうした現実を考えれば、軽々に「廃校」などという言葉は使えないし、使うべきではない。
 奥歯に物が挟まったような説明にならざるを得ないのだ。

◆新・和光国際に欲しいのはIBクラス
 新校になるにあたり、国際科(旧外国語科)の単科高校にできなかったか。
 せめて国際科と普通科を半々(4クラスずつ)にできなかったか。
 さらには国際バカロレア(IB)コースを設置できなかったか。

 たとえば都立国際高校は国際学科のみの単科高校である。
 なまじ普通科があるとブランドイメージの上ではマイナスになる。

 新・和光国際のように、普通科6クラス、国際科2クラスという構成だと、国際科は主役になりにくい。
 これが、ただの「新・和光」であれば、国際科に私立で言う特進的なポジションを与えることができる。
 しかし、この学校は校名に国際を冠しているのだ。
 新校名も国際をはずさないと予想される。
 そうなると、国際を冠しながら、それを専門に学ぶ学科が一部であるという現状の問題点(ある意味矛盾)がそのまま引き継がれることになる。
 将来的にぜひ考えていただきたいところだ。

 新校を機に国際バカロレア(IB)コースを設置できなかったのも個人的には残念なところである。
 準備に時間がかかること、費用がかかることは承知の上だが、これもいつか実現してほしい。
 
 先ごろ発表された「第4期埼玉県教育振興基本計画(令和6年度~令和10年度)」の中にも、「新たな中高一貫校、国際バカロレア認定校、高等学校における魅力ある専門学科の新設について、検討を進めます」と、ある。
 現状、埼玉県には国立、市立、私立のIB認定校はあるが県立はまだない。
 県としても作る意志はあるようだ。

 では、どこが候補になるかと言えば、一番近い所にあるのが和光国際だろう。
 学校がやりたいと言ってやれるものではないが、新・和光国際への期待はここにもある。

◆これまで見たことのない世界が
 校長先生と教頭先生の案内で2グループに分かれて授業見学した。
(言い忘れたが、今日の塾説参加者は40人くらいだった)

 10人以下の少人数授業あり、ネイティブの授業ありと見どころ満載だったが、圧巻は1年生の英コミュの授業だった。
 その授業、オールイングリッシュかと思いきや、瞬間日本語に変わる。そしてすぐまた英語。
 翻訳ではない。
 おそらく微妙なニュアンスを伝える部分は日本語で、それ以外は英語という使い分けなのだろうが、素人にはよく分からない。
 ちなみに先生は日本人。

 驚くのは、生徒たちがそのネイティブ並みのスピーディーな英語に完全対応していることだ。
 まだ入学して半年なのに。
 さらに。
 私はてっきり外国語科の生徒かと思っていたが、後で校長先生から「あれは普通科の生徒です」と聞いて二度目の驚き。

 外国語科の授業はこれまでに何度も見てきたが、和光国際のそれは正に異空間と呼ぶのがふさわしく、これまでに見たことのない世界が広がっていた。
 であるから、やはり和光国際への期待は国際科の単科校であり、国際バカロレア認定校なのである。
 と、話はそこに行き着く。