埼玉県公立高校の多くは一昨日(3月24日)が今年度の修了式(終業式)だった。
 卒業式からさほど日が経っていないが修了式の式辞(講話)をまとめておこう。
 新年度の始業式・入学式に始まり各種行事や説明会、その他会合と1年中挨拶しているのが校長だ。
 僅かでも不適切な発言があれば徹底的に糾弾される時代であるから話題選びや言葉選びにも苦労が多いだろう。
 一年間ご苦労様。

 なお、この記事はいわゆる「切り取り」である。
 長い話の一部を切り取っている。
 ちょっとでも興味を持ったら、リンクを貼ってあるので、ぜひ元の文章をお読みいただきたい。
  
●上尾南(秋元俊一校長)
【修了式】素晴らしい生徒たち
「勉強や部活動、得意不得意はそれぞれですが、成果がすぐに出るとは限りません。じっくりと変化や結果を待つことも大切です。まずは、本気スイッチをオンにし、それを継続させ、一生懸命に取り組みましょう。私たち教員一同も、皆さんの成長を願い、本気になれるよう支援していきます。皆さんが主体的に取り組める環境を作り、困った時には手助けをし、全力でサポートします」

●浦和工業(堀口真史校長)
令和6年度3学期終業式
「弱い人を守ってください。皆さんの中でも不公平と感じる人もいるかもしれません。しかし、誰もが同じようにできるとは限りません。その時は是非、手を差し伸べてください。誰もが暮らしやすい社会を作ることが、自分自身の幸せにつながります。困っている人を見かけたら、声をかける。学校でも同じです」

●大宮(松中直司校長)
「四時の序、功を成す者は去る」
「「私が遠くを見ることができたのは、巨人たちの肩に乗っていたからです」。(中略)ニュートンはその成果を、先人たちの研究があってこそだと言っています。偉大な先人を真似て、先人たちを追っていく。そして、その結果先人を超えていく。なんとなく、大宮高校で先輩から後輩に引き継がれていく大高生らしさと、常に前進を続ける大宮高校らしさに通じるものを感じます」

●大宮光陵(矼(いしばし) 秀年校長)
令和6年度 修了式 校長の話
「私は彫刻という表現について学んできました。今日ご紹介したことは、その過程で自分なりに掴み取った解釈です。これとは異なる捉え方をされる方もいらっしゃると思います。皆さんも、進級を機に何か自分の興味関心のあることを、探求してみてはいかがでしょうか」

●春日部(角坂清博校長)
【校長ブログ】令和6年度 修了式
「どんなに知識や技術を身に付けても、どんなに成功を収めても、最後に人を動かすのは、「人としての在り方」です。どんなに時代が変わっても、どんなにスピードが求められても、「感謝の気持ち」や「思いやりの心」 を持つことの大切さは変わりません」

●春日部工業(齋藤 潤校長)
【校長のブログ】3/24 R6修了式を行いました。
「人生の出来事は、特に何か物事に成功した場合、偶然や運命で語られることが少なくありません。その方が劇的で面白いからです。でもその裏では、やっぱり凧を作っているのです。準備をしているのです。準備こそ運を支配する最大で唯一の方法かもしれません」

●春日部東(竹本 淳校長)
校長室から⑭ 令和6年度修了式 
「自ら課題を見つけ、その課題を解決していく方策を考え、その方策を実行するという、所謂「マネジメント能力」を高める努力をしてください。このような努力を続けていくことこそが、予想以上に変化の激しく、先行き不透明な時代を生き抜くために必要なことと考えています」

●川口(上原一孝校長)
【校長ブログ】「野心」のすすめ~令和6年度修了式~
「川口高校の皆さんは、とてもやさしく謙虚です。(中略)やさしく謙虚なことは素晴らしいことで、この先の人生でもずっと大切にしてほしいと願っています。しかし、同時にもっと自分に自信をもってもいい。もっと高みをめざす「野心」を抱いてもいい。もっと尖がってもいいと私は思っています。なぜなら、皆さんのこれから歩む「道」が社会に希望をもたらし、やがて多くの人が歩く「道」となる。皆さんには才能と無限の可能性があるからです」

●川口北(高松健雄校長)
令和6年度 終業式 校長式辞
「人生は本当にいろいろなアクシデントがあったりしますし、思い通りにならないことの方が多いのも、また人生です。そして、人は人生の節目、節目で何度も自分で「選択」をしなければならないことがあるはずです。(中略)もしも人生の選択に迷った時には、簡単に答えを出せる楽な道よりも、自分で考えて、考えて、考え抜いて答えにたどり着くような、少し難しい道を選んで欲しいと思います」

●川口東(井上一也校長)
【校長室】3学期が終了しました
「92歳の方に進化していると言われてしまったら、私たちはやるしかないんだと思いま
せんか。いろいろな場面で、「チャレンジしよう」とか「まだ間に合うかな」とかの話をしますが、このような方からのことばは重たいなと感じました。皆さんも我々先生方もまだまだ「進化」できるということを感じながら頑張っていきましょう」

●川越女子(西野 博校長)
校長日誌 終業式・報告会・ロードレース大会表彰式
「こうした「名もなき家事」のような「名もなき仕事」は、学校生活でも沢山あります。皆さんのまわりにもやってくれている人がいます。だからこそ、普通に生活できる川越女子高校があるのです。是非とも皆さんはそれをやってくれている人がいることに気づいてください。また、みんなが「名もなき仕事」に気づいて実行しようとする気持ちをもってください。もし、誰かが先に実行していたときには感謝の言葉を口にしてください。みんながそういう心がけがで、来年度も和やかで明るい川越女子高校にしていきましょう」

●川越総合
令和6年度3学期終業式校長講話の概要
「2年次生は来年卒業する時に、1年次生は来年進級するときに、このような後悔をしないために、「今更もう遅いかな」と思うことでも、「そんなことやるのは自分のプライドが許さない」と思うことでも、「奇想天外かな」と思うことでも、心当たりがあるなら今すぐそれをやるべきことです。その挑戦を繰り返すことが、新たな可能性の扉を開き、自分自身が一層輝くことにつながります」

●川越南(石川良夫校長)
校長日誌 3学期終業式
「時間は誰にでも平等で、1日は24時間です。この時間をどのように有効活用して、自己研鑽に向けるのか。それを決められるのは、自分だけです。感受性豊かで、いろいろなものを吸収することができるこの時代をどう生きるのか、是非もう一度考えて、実行してみてください」

●北本(本城千晶校長)
令和6年度修了式 校長講話
「。学校と言うのは、学びの場、公共の場、多くの人が生活する場です。多くの人の自由が保たれる安全安心の場にする責任が学校にはあります。多くの人の自由を保つには共有されたルールが必要です。多様性の社会だからこそルールが必要です。そして、ルール、マナー違反が増えるとルールは厳しくなります。ルール違反が続出すると、ルールを見直したのにまたルールを見直さなければなりません」

●熊谷(加藤哲也校長)
令和6年度修了式
「自分の目の前の状況と、自分の勝手な倫理観で判断し、他人をどうこう言うことは、とても無責任なことです。何故なら、正しさは、状況や立場によって変わるものだからです。 正しさをしっかり理解するためには、相手の主張の背景を想像して行間を読んだり、自分の価値観は脇において、客観的な視点で考えたりする必要があります」

●熊谷女子(栗藤義明校長)
令和6年度修了式・校長講話(人生の歩み方について)
「私は人生の究極のゴールは「誰かのためになること」だと思っています。自分の生き方や仕事に誇りを持ち、アフリカの医療に貢献してケニアの人々の多くの生命を救った柴田医師の姿は、「学問の道」に進み、「やさしい心」を養い、「花の冠」を手にすべく努力する皆さんの、これからの姿と重なるものです」

●越谷総合技術(野口剛志校長)
令和6年度修了式挙行
「本田宗一郎が
残した言葉に『「 進歩」とは「反省」の厳しさに正比例する』というのがあります。つまり、できなかった時に、「なぜそうなったのか」「どうすればよかったのか」などについてよくよく考え、深く反省できるかどうかで、その後において、「進歩できるか」「 できないか」が決まるというような意味になります。とても参考になるものなので、皆さんも心得ておいて欲しいと思います」

●庄和(水石明彦校長)
【校長講話】令和六年度修了式
「スポーツでも学習でも何でも、ものごとのほとんどは一度やったくらいでは自分のものになどなりません。何度も反復しながら自分のものにしていくしかありません。「基本」に忠実に取り組む。できるところからでいいのでぜひ始めてみてください。そしてそれを継続させる。そうすれば、自分でも驚くほどの成果を、じきに実感できるようになると思います」

●杉戸(松本剛明校長)
【校長日誌】令和6年度修了式
「母校がなくならないようにするために、皆さんはどうしたらよいのでしょうか。答えは簡単で、杉戸高校をこれまで以上に魅力ある学校にしていくことのです。そのために、今の皆さんへのお願いは、受け継いだものにさらに磨きをかけて次へと確実にバトンタッチする、「継承」を大事にしてもらいたいということです。物理的なものだけでなく、精神的なもの、例えば校風や伝統と呼ばれるようなものも含めてです。現状維持に満足するのではなく、少しだけでもレベルアップする、その小さな積み重ねがどんどんと受けつがれ続けば、どんなことでも自ずと良い方向へと向かうはずです」

●秩父農工科学(服部 修校長)
令和6年度 修了式 校長講話
「セルフマネジメント力 や 自己客観視力 は、学業成績や学習効果の向上に大きく影響する力だと言われています。一年間を振り返り、次に繋げる目安にしてもらえればと思います」

●常盤(鴨志田新一校長)
卒業証書授与&後期終業式
「人間としての、生きる上でのマナー、礼儀、服装、あいさつ、これらのことを自然に行うことで、何事にも耐えることができる人間、志が高く、品格のある人間になることができます。しかし、最初から自然に行うことはできません。最初は、意識して、徹底することで、自然となってきます。春休み中も、今日のお話を思い出して、一日、一日を積み重ねていき、有意義な時間を送ってください」

●所沢(内田正俊校長)
【3学期終業式・校長あいさつ】成功のストーリー
「「なぜ失敗したのか」「どこを改善すれば同じことが起こらないか」を考えれば、失敗を繰り返すことを避けることができ、自分のレベルアップにつながります。好き好んで自分の過ちを公表する人は少ないので、他人から失敗事例を学ぶことは難しいです。想像力を働かせて考えるしかありません」

●新座総合技術(佐久間 博正校長)
令和6年度第3学期終業式・専攻科後期修了式の挙行
「頑張っているのに成績が上がらないとか、専門学科の技術がなかなか身につかないとか、悩んでいる生徒はいませんか。そのような時、「マイナス思考」「ネガティブシンキング」に陥りがちですが、ちょっと待ってください。そのような生徒は、先輩や先生の経験等を参考に、取り組み方を変えてみるなど工夫が必要かもしれません。また、継続することで、ある時突然、全くわからなかったことがよく理解できたり、できなかったことができるようになったりします」

●新座柳瀬(伊藤孝人校長)
R6年度修了式
「皆さんには、物事がうまくいかず辛いと感じても、決して投げ出さず、身体と心のエネルギーを回復させてから、一歩ずつ前に踏み出し、幸せをつかんでいただきたいと願っています」

●羽生第一(相模幸之校長)
令和6年度修了式
「今日皆さんにお伝えしたいことは「人に期待しない」ということです。(中略)「人に期待しない」という考え方は、「生きていく上での在り方や姿勢」という観点と、「自分自身のメンタルヘルスのケア」のためという観点も含んでいます。相手への「こうあってほしい、こうしてほしい」という期待が大きすぎると、相手の反応や行動が「期待どおり」でなかったときに、必要以上にストレスやイライラ感に苦しめられてしまいます」

●松山女子(黒田勇輝校長)
令和6年度 第3学期終了式 校長講話
「コミュ力のいろはの「い」は、いつも言われていると思いますが、挨拶です。今日は、いろはの「ろ」を教えましょう。それは、間違えたときには謝る、そして謝られたら許すということです。あくまでも間違えたときですが、人はよく間違えます。本当に自分は間違えてないか自分に矢印を向けてみてください。間違っていなければ、謝る必要はありません」

●三郷工業技術(高橋正行校長)
令和6年度 修了式
「社会に出ると、失敗から学ぶ機会はたくさんあります。失敗は、決して恥ずべきことではなく、むしろ成長の糧となるものです。失敗を恐れて何も行動しないよりも、勇気を持って挑戦し、そこから学びを得ることが重要です。私たち大人は、皆さんの挑戦を応援しています。高校生の時から多くの挑戦と失敗から「立ち直る力」を身に付けてください」

●寄居城北(新井康之校長)
第3学期終業式における校長講話(令和7年3月24日)
「人間の精神の大きさを、その人の「器」と表現することがありますが、人も、「すぐ役に立つもの、自分の得になるもの」だけに目を向けるのでなく、さまざまなことを学び、ときには炎で身を焼くような苦しさも潜り抜けて、割れにくい大きな器を作っていくのでしょう」

●和光国際(堀 尚人校長)
3学期終業式を行い令和6年度が終了しました
「皆さんの中には、失敗して傷つくことを恐れるあまり、チャレンジしない、目の前の壁を乗り越えようとしないで避けて通るという選択をしている人はいませんか。思い切ってやってみることが尊いことであって、できないことや失敗することは恥ずかしいことでも情けないことでも何でもありません」

●蕨(山本康義校長)
終業式 校長講話
「自ら設定した高い目標と、現在の自分の成績との差を縮めていくのが勉強です。そして、66期の先輩が言うように、志望校の選定がなければ本気の勉強は始まりません。私の経験上、蕨高生なら本気になって1年あれば何とかなるのではないかと思います。特に2年生は、この春休みに充分考えて、高い志望校を選定して、「逆算思考」で新学年をスタートしてもらいたいと思います」

●浦和南(相坂賢将校長)
令和6年度第3学期修了式校長講話
「自分以外の人のために働くには、まず自分に力が蓄えられていなければなりません。そもそも、自分のことで精一杯のときには、周囲を見渡せる余裕がありません。人のため、チームのために気を配り、行動することは不可能なのです」