授業を見に行くシリーズ第三弾は熊谷西、物理の授業だ。
先週から今週にかけて、花咲徳栄で化学、狭山ヶ丘で数Ⅲ、そして今日は熊谷西で物理と、理系科目ばかり取材している。そろそろ人文、社会科学系が恋しくなってきた。
中学校の数学、理科なら何とかついて行けるが、高校の理系クラスの理数科目となるともういけない。
自分はいわゆる文系人間なのだが、高校生の時は「物化生地」は必修で全部やらされたし、数学もⅢまでやった。
が、なにせ半世紀以上前のことで、その後使う機会もなかったので、きれいさっぱり忘れている。いや、正しく言えば、元々理解もしていなかったし覚えてもいなかったのだろう。
今日の授業は、理数科2年生の「SS物理」という授業だ。
担当はこの道22年のベテラン・澁谷平(しぶや・まさる)先生。
熊谷西では3年目で、その前は大宮高校などでも教鞭をとった。
授業は55分で、今日見学した4時間目は12:00~12:55。
したがって、昼休みはちょっと遅めとなる。
6時間目の終わりは15:40と、これもやや遅めで、部活には多少影響しそうだ。
ただ、この「55分×6限×5日間」により50分授業換算で週34単位を確保しているので、土曜日は授業は行っていない。
授業をフルに見たいので、休み時間の間に教室に向かった。
時間が来て、起立、礼の号令がかかり授業が始まった。
少し経つとチャイムが鳴った。
てっきりノーチャイム制なのかと思ったが、そうではなかった。
普段から、みんなが揃ったら「さあ、始めようか」となるらしい。
1分や2分早く始まったところで、いちいち文句を言わない、そういう集団なのだ。
授業は4人ずつのグループ形式で行われた。
この形が多いという。
なお、この授業は澁谷先生のほかにもう一人補助の先生が付くTT(チーム・ティーチング)で行われていた。
澁谷先生ほどのベテランになれば、一人で十分切り盛りできる。
生徒たちもまた、互いに教え合うに十分な学力を持ち合わせている。
(しかも、クラス替えのない理数科なのでお互い気心も知れている)
そこにもう一人、専門性の高い教員が付いて適宜アドバイスをするという何とも贅沢な授業が展開されている。このあたりが専門学科かつSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の強みなのかもしれない。
授業内容について詳しく解説することはできないが、単元としては熱力学であった。
今日の授業では、化学でもおなじみのシャルルの法則も登場した。
圧力が一定ならば、気体の体積(V)は絶対温度(T)に比例する。
たぶん、そんな話。
生徒が各自計算をする場面が多い授業だったが、最後に先生が熱平衡に関する演示実験を行った。
想定される温度変化のグラフを書かせた上で(結果を予想させた上で)、先生は実験にとりかかる。
温度変化の様子はパソコンからプロジェクターに投影され、生徒たちは刻々変化する温度を固唾をのんで見守る。
理科はこれがあるから面白い。
毎回というわけではないが、こうしたデモンストレーションは割と頻繁に行われているようだ。
55分授業におけるプラス5分の余裕が、こうしたことを可能にしているのだろう。

コメントを残す