埼玉県令和8年度入試のための第1回進路希望調査の結果は間もなく発表される。
 それに関する記事を連投している。
 今日はニーズが少ないと思われる専門高校(専門学科)、そのうちの農業・工業・商業・家庭など古くからある学科についてだ。
 最近は理数や外国語語など大学進学狙いの専門学科もあるが、これらは古くは明治時代からある専門学科だ。

 以下、個人的注目校を紹介しておこう。

●川越工業
 別次元を行く募集優良校、3科1倍超え継続か
 定員確保に悩む専門高校が多い中、一つだけ別次元の学校がある。
 それが明治41年創立の川越工業だ。
 5学科あるうち、デザイン・建築・機械の3学科は少なくともここ10年間、第1回調査において1倍を割ったことがない。
 第1回の10年間平均は、デザイン1.67倍、建築1.81倍、機械1.63倍。
 電気科も一度だけ令和5年度に0.85倍に落ち込んだが、それ以外は1倍超えで平均1.49倍。
 
●杉戸農業
 盤石、生物生産技術
 6学科中、生物生産技術科は少なくともここ10年間、第1回調査で1倍を割ったことはない。
 それどころか10年間平均は1.84倍の高さ。
 食品流通科は第1回の10年間平均は1.36倍、園芸科は1.11倍。
 6学科中何学科が1倍を超えるか注目。
 
●秩父農工科学
 農業科、1倍超え連続記録更新か
 農業系3科、工業系2科、家庭系2科で計7科。学科の多彩さでは県内随一。
 この中で農業科は少なくともここ10年間、第1回調査で定員を割ったことはなく平均1.39倍だ。
 家庭系のフードデザイン科も一度だけ1倍を割ったが、それ以外は常に1倍超え。 

●越谷総合技術
 食物調理、10年平均は2.00倍
 工業系、商業系、家庭系、各2学科合計6学科あるが、このうち食物調理科は少なくともここ10年間、第1回調査で1倍を割ったことはなく、10年間平均は驚異の2.00倍。今年も2倍超えとなるか注目。
 
●新座総合技術
 食物調理、デザインが高倍率
 上記越谷総合技術同様、複数の系統にまたがり6学科あるが、ここも食物調理科は第1回で1倍を割ったのは一度だけで10年間平均は1.62倍と高い。また、ここ数年はデザイン科も好調で、ここ3年間に限れば平均1.66倍の高倍率となっている。

●春日部工業
 7年ぶり、3科そろって1倍超えなるか
 機械・電気・建築の3科構成で、それぞれ80人募集。
 昨年第1回は機械と建築は1倍を超えたが、電気がとどかなかった。
 平成31年度以来7年ぶり、令和に入って初めての3科同時1倍超えがなるかどうかに注目。

●久喜工業
 情報技術、10年連続1倍超えか
 5科体制だが、そのうち情報技術は平成29年度以来9年連続で第1回で1倍超えしている。
 今年超えれば10年連続達成だ。

●深谷商業
 情報処理、盛り返すか
 情報処理科(80人募集)は昨年第1回は0.88倍だった。それまで8年連続1倍を超えていたが途切れた。今年は1倍超えに復帰できるかどうか。
 伝統ある商業科はここ3年間、0.99倍、1.04倍、1.06倍と低空飛行が続いている。かつては第1回で1.1~1.2倍という年もあったが、そこに迫れるかどうか。

●大宮科学技術
 女子希望者、集まるか
 工業高校と言えば工業高校なのだが、これまでにない新しいコンセプトの学校になる。
 各科の希望者数、倍率も気になるところだが、この学校が目指すところが知れ渡れば女子の希望者も増えるはずなので、そこに注目。

 塾及び民間教育関係者で専門高校(学科)の倍率に注目している人は少ないだろうが、専門高校フリークの私は結構気にしているのである。