本日は令和8年度埼玉県公立高校入試、専門高校・専門学科の出願状況に関するまとめ情報である。
◆初登場の専門学科はどうだったか
再編により新しく生まれた6校には、すべて専門学科が設置されている。
これら専門学科の倍率はどうだったか。
新校・新学科は名前が浸透するまでに時間がかかるものだが、はたしてどこまで情報が行きわたったか。このあたりに注目しながら見ておこう。
【岩槻・国際教養科】
募集人員40人 志願者49人 1.23倍
旧・国際文化科である。
新校情報の発信はもっとも早かったのではないだろうか。SNSやホームページ、youtube動画などを駆使して、「国際教養科」もさることながら、むしろ「新校」を前面に出したプロモーションを展開し、これが奏功した。普通科の方も278人募集のところ、志願者308人、1.11倍と順調である。
【秩父・国際教養科】
募集人員40人 志願者13人 0.33倍
岩槻のように母体となる学科がなく、まったくの新規学科なので定着には時間がかかるだろう。普通科の方も158人募集のところ志願者140人、0.89倍と厳しい戦いだが、急速に過疎化が進む地域の現状を考えれば、さすが伝統校、よく頑張っていると言っていいだろう。今さらだが、学科は国際教養科よりも、地域観光科とか、ズバリ「地域活性科」の方が良かったのではないかと思っている。
【和光国際・国際科】
募集人員79人 志願者95人 1.20倍
旧・外国語科である。
ようやく校名にふさわしい学科ができた。普通科が238人募集のところ志願者311人、1.31倍なので、国際科はこれを上回る倍率が出て欲しかった。
【越生翔桜・美術表現科】
募集人員40人 志願者49人 1.23倍
旧・越生の美術科である。梅で有名な越生に、なぜ桜の学校ができるかについては以前に書いた。そこでも言ったが、目玉であるアニメを、なぜもっと前面に出せなかったのかといまだに残念に思っている。アニメ美術、アニメ表現だったら、だいぶ印象が変わっただろう。普通科の方も118人募集のところ志願者49人、0.42倍と苦戦を強いられている。
【八潮フロンティア・ビジネス探究科】
募集人員119人 志願者131人 1.10倍
初のカタカナ校名。学科名にも今はやりの探究を取り入れた。現状、ビジネス探究科は1倍超えだが、併設の普通科の方も119人募集に対し、志願者112人、0.94倍と、あと一歩のところまで来ている。ビジネス探究科では、校内に株式会社を設立する予定だという。始まってすぐというわけにはいかないが、いずれ様子を見に行きたいと思っている。
【大宮科学技術・情報サイエンス科など】
今回の再編の目玉と、勝手に位置付けている。
校名に初めて「科学」を含めた。「工科」などでお茶を濁さず良かった。東京工業大学が東京科学技術大になる時代だから、これでいい。
機械科は機械工学科、電気科は電気工学科、建築科は建築デザイン工学科と改めた。これまであった電子機械は再編しロボット工学科と改めた。
しかし、なんと言っても最大の目玉は、埼玉県初の情報専門学科である情報サイエンス科の新設だ。工業高校に情報技術科、商業高校に情報処理科があるが、それらとは一線を画する情報の専門学科。埼玉県もかなり力を入れているようで、この学校だけ校舎(実習棟)を新築している。今のところ、80人募集に対して志願者99人、1.24倍と好調な滑り出しを見せている。
では、ここからは農業・工業・商業の各校・各科倍率を見ていこう。
◆農業
6校18学科があり、全体倍率は0.81倍(前年同期0.81倍)。
定員に達しているのは次の3校5科である。
熊谷農業・食品科学 1.23倍
杉戸農業・生活技術 1.18倍
杉戸農業・園芸 1.05倍
杉戸農業・食品流通 1.00倍
鳩ヶ谷・園芸デザイン 1.00倍
これに続くのが、秩父農工科学・農業0.98倍、熊谷農業・生活技術0.95倍、杉戸農業・生物生産工学0.95倍など。
校名に農業を冠するのは熊谷農業と杉戸農業の2校であり、その名のとおり農業関係学科のみで構成されている。杉戸農業は6学科中3科で1倍を超えている。
細かい話だが、生物生産技術と生物生産工学は名称が似ていてその違いが分かりにくい。私的な感覚としては、「ザ・農業」と言えるのは、どちらかというと「技術」の方だ。「工学」の方はバイオテクノロジー(発酵や微生物)などを学んでいるイメージ。
◆工業
13校45学科あり、全体倍率は0.85倍(前年同期0.89倍)
定員に達しているのは次の5校11科である。
※印は80人募集、無印は40人募集
新座総合技術・デザイン1.23倍
川口工業・情報通信 1.15倍※
川口工業・電気 1.14倍※
川越工業・建築 1.13倍
熊谷工業・情報技術 1.13倍
川越工業・デザイン 1.08倍
久喜工業・機械 1.05倍※
久喜工業・情報技術 1.05倍
熊谷工業・電気 1.03倍
熊谷工業・建築 1.03倍
川越工業・機械 1.00倍※
学校別では、川越工業と熊谷工業がが5学科中3科、川口工業が3学科中2科、久喜工業が5学科中2科と、複数学科で1倍を超えている。
新座総合技術と川越工業のデザイン科は、芸術(美術)や家庭(服飾)に近い内容も学べるということで女子人気が高い。
建築科は東西南北1校ずつ計4校にあるが、川越工業と熊谷工業が1倍超え。
春日部工業は3科とも80人定員だが、建築が0.99倍、機械も0.99倍と、あと1人で1倍を超える。
電気科は10校にある(進修館と秩父農工科学の電気システム及び大宮科学技術の電気工学含む)。1倍を超えているのは川口工業と熊谷工業の2校。
機械科は電気科と並ぶ伝統学科で工業高校には必ずある学科だ。1倍超えは久喜工業と川越工業だけだが、春日部工業・機械が0.99倍、川口工業・機械が0.98倍、三郷工業技術・機械が0.97倍、など一定の人気は保っている。
◆商業
15校26学科あり、全体倍率は0.91倍(前年同期0.94倍)
定員に達しているのは6校10学科である。
市立川越・国際経済 1.66倍
上尾・商業 1.28倍
市立川越・情報処理 1.20倍
浦和商業・情報処理 1.14倍
八潮フロンティア・ビジネス探究
1.10倍
深谷商業・情報処理 1.09倍
浦和商業・商業 1.06倍
深谷商業・商業 1.01倍
深谷商業・会計 1.00倍
鴻巣・商業 1.00倍
商業系学科のある15校のうち、上尾、鴻巣・鳩ヶ谷、八潮フロンティア、市立川越の5校は普通科併設であり、越谷総合技術、新座総合技術、羽生実業の3校は他の分野の専門学科併設である。
商業のみの学校は、岩槻商業、浦和商業、大宮商業、熊谷商業、狭山経済、所沢商業、深谷商業の7校である。このうち深谷商業は3学科中3学科、浦和商業は2学科中2学科で1倍を超えている。
定員にはとどいていないが、新座総合技術・総合ビジネスが0.97倍、狭山経済・情報処理が0.96倍、同・流通経済が0.94倍、岩槻商業・情報処理が0.93倍、鳩ヶ谷・情報処理が0.93倍など一定の人気は保っており、今後の受験生の動き(志願先変更)次第では1倍を超える可能性もある。
以上、本日は新設された専門学科及び農業、工業、商業など伝統的な職業系専門高校・専門学科についてまとめてみた。

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