倍率予想をもう少し続ける。
 予想と言っても当てることが主目的ではない。
 過去データから傾向を探り出し、今後の先生方のご指導に少しでも役立てばという思いから続けている。

 本日取り上げるのは、第2回調査時点において定員割れにはなっていないものの、1.00倍を少し超えた程度で、今後の動向次第で定員割れもありそうな学校である。

 まず、第2回調査で1.00倍から1.09倍の学校を見てみよう。
 1.10倍以上から一気に1倍未満に下がることは考えらないからである。

 調査方法は、前日の「現状定員割れ校編」と同様である。
 学校名五十音順。
 学校名右側は第2回調査の倍率である。

●上尾南 1.02倍
 出願確定時の平均倍率は1.05倍。
 第2回から確定まで平均0.05ポイント上昇。
 過去5年間で確定時定員割れしたのは2年度(0.99倍)だけ。
 4年度は第2回1.01倍から確定時1.05倍に上昇したが、5年度は第2回1.13倍から確定時1.08倍に低下した。
 第2回1.02倍の今年は、やや上がるパターンか。

●大宮光陵・外国語 1.08倍 
 出願確定時の平均倍率は0.88倍。
 第2回から確定まで平均0.07ポイント上昇。
 40人定員なので振れ幅が大きい。
 過去5年間、第2回で定員を超えたことはなく、確定時では昨年(5年度)のみ1倍を超えた。
 今年は1倍超えを維持する可能性がある。

●小川 1.02倍
 出願確定時の平均倍率は0.97倍。
 第2回から確定まで平均0.14ポイント上昇。
 第2回での1倍超えは2年度の1.07倍以来4年ぶり。
 今年は1倍超えを維持する可能性がある。

●川口青陵 1.09倍
 出願確定時の平均倍率は1.10倍。
 第2回から確定まで平均0.12ポイント低下。 
 過去5年間、第2回も確定時も1倍を割ったことはない。
 昨年(5年度)は第2回1.09倍から確定時1.08倍と大きな変化なし。
 今年もそれに近い動きとみられる。

●川口東 1.02倍
 出願確定時の平均倍率は1.09倍。
 第2回から確定まで平均0.09ポイント上昇。
 過去5年間、第2回では1倍に達しなかったことが3回あるが、確定時にはいずれも1倍を超えている。
 今年も1倍超えを維持する可能性がある。

●越谷西 1.08倍
 出願確定時の平均倍率は1.12倍。
 第2回から確定まで平均0.11ポイント低下。
 過去5年間、第2回も確定時も1倍を割ったことはない。
 今年も1倍超えを維持し、さらに上がる可能性もある。

●坂戸西 1.08倍
 出願確定時の平均倍率は1.10倍。
 第2回から確定まで平均0.02ポイント上昇。
 過去5年間、第2回も確定時も1倍を割ったことはない。
 第2回から確定時にかけての変動が少ない学校なので、1.08倍前後を維持する可能性が高い。

●狭山清陵 1.04倍
 出願確定時の平均倍率は1.13倍。
 第2回から確定まで平均0.01ポイント低下。
 過去5年間、第2回も確定時も1倍を割ったことはない。
 過去5年の確定時平均倍率よりかなり低いので、1.10倍前後まで上がる可能性もある。

●草加 1.06倍
 出願確定時の平均倍率は1.08倍。
 第2回から確定まで平均0.12ポイント低下。
 過去5年間、確定時において1倍を割ったことはないが、1.05、1.04、1.03と直近3年間は下がり続けている。
 1倍ぎりぎりまで下がる可能性もある。

●八潮南 1.05倍
 出願確定時の平均倍率は1.04倍。
 第2回から確定まで平均0.20ポイント低下。
 過去5年間、第2回から確定時にかけて毎回低下しており、下がり幅も大きい。
 現状維持と予想されるが1倍を割る可能性も捨てきれない。

●鷲宮 1.03倍
 出願確定時の平均倍率は1.05倍。
 第2回から確定まで平均0.02ポイント低下。
 過去5年中4年は第2回から確定時にかけて低下している。
 現状維持と予想されるが1倍を割る可能性も捨てきれない。

◆第2回1倍超えからの定員割れは少ない
 昨年(5年度)は、第2回において1.00倍から1.09倍までだった20校のうち18校は確定時においても1倍を超えた。
 例外は鴻巣女子(1.01→0.95)、松伏(1.00→0.94)の2校だけであった。
 1.10倍以上に上げたのは春日部(1.08→1.31)、春日部女子(1.00→1.13)、久喜(1.07→1.13)、熊谷(1.01→1.13)、熊谷女子(1.03→1.13)、松山女子(1.02→1.13)などで、最後は伝統校の底力を見せた形だ。県外生の影響もある。

 1.01倍や1.02倍という倍率は、仮に320人定員だとして3人から6人程度しか落ちない入試だ。低いと見てそこに変更してくる人はいても、わざわざよそに変更する人は少ない。よって、上がることはあっても、下がることは滅多にないのである。 

◆第2回1.10倍~1.18倍の学校はどうなる
 次に第2回で1.10倍以上1.18倍以下の学校を見てみよう。
 1.18倍で区切ったのは、全県普通科平均が1.19倍だからである。

●入間向陽 1.14倍
 出願確定時の平均倍率は1.11倍。
 第2回から確定まで平均0.12ポイント低下。
 2年度に第2回1.02倍から確定時0.99倍というケースがあったが、それ以外は1倍を割ったことはない。

●大宮光陵 1.18倍
 出願確定時の平均倍率は1.15倍。
 第2回から確定まで平均0.08ポイント低下。
 過去5年間、第2回も確定時も1倍を割ったことはない。
 
●大宮南 1.11倍
 出願確定時の平均倍率は1.17倍。
 第2回から確定まで平均0.06ポイント低下。
 3年度に第2回0.97倍から確定時0.98倍というケースがあったが、それ以外は1倍を割ったことはない。今回第2回の1.11倍は、その時以来の低倍率である。
 
●坂戸 1.16倍
 出願確定時の平均倍率は1.14倍。
 第2回から確定まで平均0.13ポイント低下。
 過去5年間、第2回も確定時も1倍を割ったことはない。

●庄和 1.16倍
 出願確定時の平均倍率は1.02倍。
 第2回から確定まで平均0.12ポイント上昇。
 3年度(0.96倍)、4年度(0.90倍)と2年連続で確定時1倍を割ったが、5年度は1.12倍と上昇に転じた。
 過去5年間は第2回から確定時にかけて上がるパターンだったが、今回第2回は同校としてはこれまでにない高い倍率が出ているので、確定時に向けての下がり幅はやや大きい可能性がある。

●草加南 1.18倍
 出願確定時の平均倍率は1.11倍。
 第2回から確定まで平均0.03ポイント低下。
 過去5年間、第2回も確定時も1倍を割ったことはない。

●所沢北 1.14倍
 出願確定時の平均倍率は1.37倍。
 第2回から確定まで平均0.19ポイント低下。
 過去5年間、第2回の最高は31年度の1.81倍、最低は2年度の1.28倍であるから最低記録を更新したことになる。なお、確定時の最高は31年度の1.55倍、最低は2年度の1.14倍である。
 今回第2回の1.14倍は、同校としては異例の低倍率である。これまで第2回は1.5倍から1.6倍、確定時は1.3倍から1.4倍と0.2ポイント程度下がるのが普通だったが、今年は上がる可能性もある。

●所沢中央 1.11倍
 出願確定時の平均倍率は1.15倍。
 第2回から確定まで平均0.01ポイント低下。
 過去5年間、第2回も確定時も1倍を割ったことはない。

●深谷第一 1.11倍
 出願確定時の平均倍率は1.21倍。
 第2回から確定まで平均0.10ポイント低下。
 過去5年間、第2回も確定時も1倍を割ったことはない。

●本庄 1.12倍
 出願確定時の平均倍率は1.15倍。
 第2回から確定まで平均0.04ポイント低下。
 過去5年間、第2回も確定時も1倍を割ったことはない。

●三郷北 1.11倍
 出願確定時の平均倍率は1.06倍。
 第2回から確定まで平均0.07ポイント上昇。
 過去5年間、第2回で1倍を割ったことが2回あるが、確定時に1倍を割ったことはない。

◆1.10倍台からの定員割れはない
 以上見てきたように第2回で1.10倍以上であれば、確定時に向けて下がることはあっても1倍を割ることはない。

 昨年(5年度)、第2回で1.10倍台の学校が10校あったが、うち8校は確定時に向けて下がって行った。
 例外は川口東(1.13→1.14)と川口北(1.18→1.28)の2校だ。

 今年の所沢北は昨年の川口北と同様な動きを見せるかもしれない。