倍率予想シリーズは今回でいったん終了である。
 出願が始まった時点で、また倍率に関する記事を書くことになるだろう。
 この予想は当てることが主目的ではない。
 過去データから傾向を示したので、今後の先生方のご指導に利用していただければ幸いである。

 倍率に関する記事を立て続けに3本書き、今日が4本目。
どうなる最終倍率、学校選択問題採用校編【2024埼玉公立入試】(1月13日)
どうなる最終倍率、現状定員割れ校編【2024埼玉公立入試】(1月15日)
どうなる最終倍率、1倍すれすれ校編【2024埼玉公立入試】(1月16日)

 本日取り上げるのは、これまで触れていない残りすべての学校(ただし普通科のみ)である。
 倍率で言えば、第2回進路希望調査で1.19倍(全県普通科平均)以上だった学校だ。

 調査方法は、前日までと同様である。
 学校名五十音順(県立の後に市立)。
 学校名右側は第2回調査の倍率である。

 対象となる学校が40数校あるので前半と後半に分ける。
 前半は1.19倍から1.49倍までの学校、後半は1.50倍以上の学校。

◆1.19倍~1.49倍の学校
 2倍は2人に1人、1.5倍は3人に1人が不合格となる超高倍率だ。
 そこまで厳しくはないが、高倍率であるのが次の学校だ。
 なお、このグループには浦和(1.33倍)、浦和一女(1.32倍)、春日部(1.25倍)、川口北(1.40倍)、川越女子(1.26倍)、越谷北(1.25倍)、不動岡(1.30倍)、大宮北(1.40倍)も含まれるが、「学校選択問題採用校編」で取り上げいるので今回は扱わない。

●朝霞 1.22倍
 出願確定時の平均倍率は1.13倍。
 第2回から確定まで平均0.02ポイント低下。
 過去5年間で確定時定員割れしたのは4年度(0.98倍)だけ。この年は定員が320人から360人に増えた。5年度から元に戻っている。

●朝霞西 1.26倍
 出願確定時の平均倍率は1.13倍。
 第2回から確定まで平均0.00ポイントの上昇または低下。
 4年度、5年度と定員が320人から360人に増えたが6年度は元に戻った。第2回が1.26倍と高めなのはその影響もある。
 第2回から確定時までの変化は±0.04ポイント程度の学校なので1.2倍台を維持する可能性が高い。

●伊奈学園 1.27倍
 出願確定時の平均倍率は1.19倍。
 第2回から確定まで平均0.06ポイント低下。
 31年度に第2回1.27倍から確定時1.16倍というケースがあったが、今年はそこまで下がらないと予想される。

●岩槻 1.19倍
 出願確定時の平均倍率は1.04倍。
 第2回から確定まで平均0.07ポイント上昇。
 第2回は31年度から4年度まで1倍を割っていたが、5年度に1.32倍と急騰した。確定時も2年度、4年度に1倍を割っていたが5年度は1.21倍と急上昇した。
 この学校のように状況が急激に変化している学校は過去データがあまり参考にならない。
 第1回(328人、1.18倍)と第2回(332人、1.19倍)との差異が少ないことから、希望者はほぼ固まっている可能性が高く、今後大きな変化はないと予想される。

●浦和北 1.42倍
 出願確定時の平均倍率は1.26倍。
 第2回から確定まで平均0.04ポイント低下。
 5年度は第2回1.45倍から確定時1.41倍とあまり下がらなかった。平均して0.04ポイントしか低下しない学校なので、今後大きく下がることはないと予想される。

●浦和東 1.42倍
 出願確定時の平均倍率は1.14倍。
 第2回から確定まで平均0.05ポイント低下。
 5年度は第2回1.40倍から確定時1.22倍まで下がった。今年も1.2倍台まで下がる可能性がある。

●春日部女子 1.21倍
 出願確定時の平均倍率は1.06倍。
 第2回から確定まで平均0.11ポイント上昇。
 過去5年間、定員が(280人→280人→240人→280人→240人)と変動しているため倍率だけでは分かりにくい部分がある。確定時倍率が0.97倍、1.00倍、1.01倍と低かったのは定員280人の年で、240人の年は1.20倍、1.13倍となっている。今年は定員240人で第2回1.21倍であるから、確定時1.5倍から2.0倍程度に収まる可能性が高い。

●川口 1.47倍
 出願確定時の平均倍率は1.18倍。
 第2回から確定まで平均0.19ポイント低下。
 第2回は31年度に1.71倍を記録しており、その後も1.2倍~1.3倍台を維持してきたから、今回の1.47倍は突出して高いとは言えない。第2回から確定時に向けて変化が大きいので1.3倍まで下がる可能性がある。
 
●鴻巣 1.22倍
 出願確定時の平均倍率は1.13倍。
 第2回から確定まで平均0.22ポイント低下。
 31年度、2年度は第2回で1.5倍台を記録していたが、その後は1.1倍台後半から1.3倍台前半で推移している。確定時倍率も直近3年間は1.10倍を割っている。このことから今年も1.1倍台前半ないしはそれ以下まで下がる可能性がある。

●志木 1.44倍
 出願確定時の平均倍率は1.13倍。
 第2回から確定まで平均0.02ポイント上昇。
 過去5年間、定員が(280人→280人→240人→280人→240人と変動しているため倍率だけでは分かりにくい部分がある。
 第2回では過去5年間で3回、1倍を割っている。また確定時でも31年度(0.99倍)に1倍を割っている。このことから今回第2回の1.44倍は高過ぎるとみて敬遠する動きが出ると予想される。

●杉戸 1.24倍
 出願確定時の平均倍率は1.01倍。
 第2回から確定まで平均0.08ポイント上昇。
 過去5年間、第2回はすべて1倍を割っている。確定時でも3年度(0.91倍)に1倍を割ったほか、1.02~1.04倍で推移している。
 過去5年間1倍を割っていた学校が今年突如1倍超えしたケースはこの学校含め2例ある。他の1つは大宮光陵(外国科コース)だが定員40人のコースなので比較対象にならない。
 仮に今年第1回(325人、1.17倍)を岩盤層とみなせば、現状維持か、下がったとしても1.15倍~1.19倍までと予想される。

●草加東 1.25倍
 出願確定時の平均倍率は1.15倍。
 第2回から確定まで平均0.13ポイント低下。
 第2回の1.25倍は、直近2年間が1.26倍、1.25倍であることから通常の倍率と言える。確定時はそこから0.1~0.15ポイント下がるので1.1倍台後半に落ち着く可能性が高い。

●所沢西 1.25倍
 出願確定時の平均倍率は1.11倍。
 第2回から確定まで平均0.10ポイント低下。
 5年度は第2回1.03倍から確定時1.08倍とやや上がった。今年はこの学校としてはやや高めの1.25倍なので、確定時に向け最大で1.10倍前後まで下がる可能性がある。

●豊岡 1.40倍
 出願確定時の平均倍率は1.21倍。
 第2回から確定まで平均0.03ポイント低下。
 過去5年間、第2回の最高は2年度の1.30倍であるからそれを上回った。確定時に向けての変動はそれほど大きくない学校なので、下がったとしても1.2倍台の後半と予想される。

●南稜 1.46倍
 出願確定時の平均倍率は1.28倍。
 第2回から確定まで平均0.32ポイント低下。
 第2回の1.46倍はこの学校としては特に高いとは言えず、むしろ低いくらいである。
 5年度は第2回1.49倍から確定時1.27倍と下がった。今年もそれに近い動きになると予想される。

●鳩ヶ谷 1.44倍
 出願確定時の平均倍率は1.22倍。
 第2回から確定まで平均0.41ポイント低下。
 第2回は直近4年間、1.59~1.89倍だったから今年はかなり低めだ。確定時に向けて下がり幅が大きい学校だが1.2倍前後で落ち着くと予想される。

●松伏 1.31倍
 出願確定時の平均倍率は1.01倍。
 第2回から確定まで上がる年と下がる年があり、平均すると±0ポイントとなる。
 過去5年間のうち3回、確定時に1倍を割っている。
 第1回(137人、1.16倍)から第2回(154人、1.31倍)は、実人数では17人しか増えていないが倍率は大きく上がっている。定員120人の小規模であるためだ。今回の1.31倍は過去5年間の最高である2年度の1.10倍を大きく上回っているので敬遠する動きが出るだろう。

●与野 1.34倍
 出願確定時の平均倍率は1.26倍。
 第2回から確定まで平均0.07ポイント低下。
 第2回の1.34倍は、過去5年間で2回、1.4倍台を記録しているこの学校としては特に高いとは言えない。
 第2回から確定時にかけての変動も例年それほど大きくないので、下がっても1.2倍台と予想される。

◆1.5倍超えの超高倍率校
 ここからは倍率上位ベスト10に登場するような学校だ。
 16校(コース含む)あるが、このうち浦和西(1.72倍)、大宮(1.70倍)、川越(1.55倍)、川越南(1.62倍)、熊谷西(1.52倍)、越ヶ谷(1.72倍)、所沢(1.67倍)、和光国際(1.69倍)、蕨(1.59倍)、市立浦和(2.34倍)、川口市立(1.71倍)、川口市立スポーツ科学(1.68倍)の12校(コース含む)は「学校選択問題採用校編」で取り上げいるので今回は扱わない。

●上尾 1.61倍
 出願確定時の平均倍率は1.22倍。
 第2回から確定まで平均0.46ポイント低下。
 過去5年間、第2回で1.6倍台が2回あったので、今回の1.61倍はこの学校としては特に高いとは言えない。
 確定時に向けて下がり幅が大きいので1.2倍台まで下がる可能性がある。

●越谷南 1.61倍 
 出願確定時の平均倍率は1.40倍。
 第2回から確定まで平均0.27ポイント低下。
 直近2年間は第2回で1.82倍、1.79倍を記録しているので、それに比べると今回の1.61倍は低いと言える。確定時に向けての下がり幅は比較的大きいので1.2~1.3倍台まで下がる可能性がある。

●市立川越 2.64倍
 出願確定時の平均倍率は1.42倍。
 第2回から確定まで平均0.93ポイント低下。
 第2回は、過去5年間すべて2倍超えである。3年度に2.90倍を記録した後、4年度2.50倍、5年度2.01倍と下がり気味だったが復調した。
 普通科定員140人と小規模なこともあり第2回から確定時にかけての下がり幅は県内でもっとも大きく、3年度は第2回2.90倍から確定時1.64倍と1.26ポイント下がった。
 今年も1.5倍前後まで下がる可能性が高い。

●浦和南 1.56倍
 出願確定時の平均倍率は1.38倍。
 第2回から確定まで平均0.21ポイント低下。
 第2回の1.56倍はこの学校としてはやや低めと言える。確定時は1.3倍から1.4倍台に落ち着くことが多いので今年も同様な動きと予想される。