2月9日、埼玉県公立入試出願状況が県教育委員会から正式に発表された。
 令和6年度 埼玉県公立高等学校における入学志願者数

 次の関心事の一つが志願先変更(14・15日)によりどう動くかであるが、繰り返し言っているように劇的な変化は起こらない。
 なぜなら、これはアンケート調査や希望調査ではなく、すべて書類を整えた正式な出願だからである。
 受験生本人やご家族は、中学校や塾の先生方らの助言を得て、考え抜いた末の結論なのであるから、そう簡単には覆らない。
 ただ、最後まで悩み、倍率次第では変更しようかと事前にお考えになっていた方もいるだろう。
 割合からすれば志願者全体の1~2%だろうが、受験生本人やご家族にもいろいろな考えや事情があると思われるので、この制度をうまく活用してもらいたい。

 さて、その上でだが、このブログは主たる読者を学校や塾の先生方と想定しているので、学校サイドに立った情報を提供しておこうと思う。

◆昨年、定員割れからの脱却は8例
 昨年入試(5年度入試)では、当初出願時に定員割れだった学校が、志願先変更を経て1倍を超えた例が全部で7例あった。

 普通科は27校中3校。 
 専門学科は66学科中4学科。
 総合学科は6校中1校。
 計8例。

 少し詳しく見てみよう。
【普通科】
●草加(358人募集)
 出願349人→変更後370人(+21人)
 0.97倍→1.03倍
●草加南・普通(238人募集)
 出願233人→変更後248人(+15人)
 0.98倍→1.04倍
●八潮南・普通(79人募集)
 出願77人→変更後83人(+6人)
 0.97倍→1.05倍
【専門学科】
●熊谷農業・生活技術(40人募集)
 出願39人→変更後40人(+1人) 
 0.97倍→1.00倍
●杉戸農業・生物生産技術(40人募集)
 出願38人→変更後41人(+3人)
 0.95倍→1.03倍
●市立川越・国際経済(70人募集)
 出願64人→変更後73人(+9人)
 0.91倍→1.04倍
●ふじみ野・スポーツサイエンス(80人募集) 
 出願76人→変更後80人(+4人)
 0.95倍→1.00倍
【総合学科】
●寄居城北(198人募集)
 出願196人→変更後199人(+3人)
 0.99倍→1.01倍

 いずれも0.9倍台後半からの挽回である。
 0.8倍台以下から定員割れを回避した学校はなかった。
 実人数では草加のプラス21人が最大で、それに次ぐのが草加南のプラス15人。
 富士見(198人募集)は184人から197人と13人増えたが、倍率は0.93倍から0.99倍で僅かに届かなかった。
 なお、今年の富士見は、現在1.12倍であり定員割れの心配はなさそうだ。

◆定員割れ回避の可能性のある学校は?
 昨年の例から、当初出願で0.95倍以上である学校には、志願先変更を経て定員割れ回避の可能性がある。
 ただ、必ず回避できるというわけではない。
 あくまでも可能性である。

 以下が、現状0.95倍以上の普通科である。

●上尾鷹の台(198人募集)
 0.98倍 195人 あと3人
●桶川(278人募集)
 0.99倍 276人 あと2人
●熊谷女子(318人募集)
 0.95倍 302人 あと16人
●越谷西(318人募集)
 0.95倍 303人 あと15人
●草加西(238人募集)
 0.95倍 227人 あと11人
●秩父(198人募集)
 0.97倍 192人 あと6人
●飯能(278人募集)
 0.99倍 274人 あと4人
●深谷(198人募集)
 0.99倍 197人 あと1人
●深谷第一(278人募集)
 0.99倍 275人 あと3人
●宮代(198人募集)
 0.95倍 188人 あと10人 

 以上10校のうち昨年定員割れだったのは秩父のみである。
 熊谷女子のあと16人、越谷西のあと15人、草加西のあと11人、宮代のあと10人あたりは相当ハードルが高そうだが、それ以外の学校も含め地域で一定の評価を受けている学校たちであるから、定員割れは回避するだろう。
 と、期待を込めての結論である。