前年度公立入試に関する情報。
 埼玉県教育委員会は令和6年度入試の「学力検査結果・解説」を公表した。

 データは県立総合教育センターのサイトで見ることができる。

「令和6年度入試学力検査結果」

 掲載内容は次のとおり。
1 学力検査問題
2 採点の手引き
3 学力検査結果・解説
4 追検査問題
5 追検査問題採点の手引き

 すでに問題と採点の手引きは公開されていたので、新情報は「学力検査結果・解説」である。
 全体分析と教科ごとの結果と解説という構成だ。

◆標準偏差と得点分布
 各教科の標準偏差と得点分布が示されている。 
 4月に発表された平均点と合わせて見れば、6年度入試の傾向がよりはっきりしてくるだろう。

 各教科の標準偏差(カッコ内は5年度)
 国語 19.49(19.02)
 社会 22.31(22.52)
 数学 18.96(20.61)
 理科 20.90(20.53)
 英語 22.49(18.92)
 数学・学校選択 13.44(14.63)
 英語・学校選択 12.17(13.88)

 得点分布グラフについては、必要に応じ元資料を当たっていただくとして、ここでは平均点が前年に比べ大きく上がった英語と、やや大きく下がった理科を示しておこう。


◆小問ごと正答率・通過率
 各教科の分析は次のような構成となっている。
(1)正答率
(2)問題の内容
(3)所見・解説

 正答率は、小問ごとに「正答」「一部正答」「誤答」「無答」の数と率、及び通過率が示されている。

 たとえば、社会でもっとも通過率が低かった問題は、大問5問2の参政権に関する問題だった(通過率24.8% 配点3点)。
 問題は「下線部②について述べた文として正しいものを、次のア~オの中からすべて選び、その記号を書きなさい」(下線部②とは参政権)というもの。
 「すべて選ぶ」なので5つの選択肢のうち3つ選ばなければならなかった。
 「一つ選べ」だったらもう少し通過率は高まったかもしれない。
 多くの受験生はのような問われ方が苦手なのだと分かる。

(お願い)
 5つの選択肢から「1つを選びなさい」なら20%の確率で正解を得られるが、この問題のように「すべて選ぶ」だと何通りの答えが考えられるのか。数学が得意な先生、ぜひコメント欄で解説してほしい。

 また、数学でもっとも通過率が低かったのは大問3(3)で0.9%だった。
 正答率0.7%、一部正答率0.7%、誤答率38.1%、無答率60.5%。
 結果論ではあるが、ここまで全員の出来が悪いと選抜材料としてはほとんど意味がなかったのではないか。

 と、こんな風に一問ずつ細かく見て行くといろいろな気づきがありそうだ。

 これから夏季講習で忙しくなるだろうから、9月になったら分析大会(研修会)でも開いてみようか。
 むろん私に分析能力はないので講師は塾の先生方にお願いする。