今日のニュースをネットで見ていたら、私立高校教員の逮捕事例が2本見つかった。
 容疑者本人はもとより「〇〇高校教諭の男を逮捕」と学校名入りで報道されている。

 一人は22歳で性的姿態等撮影未遂。
 性的姿態撮影等処罰法に規定された罪だが、早い話が盗撮。
 駅のエスカレーターでという典型的なやつ。
 埼玉県の高校というのが個人的には残念なところ。

 もう一人は39歳で不同意わいせつの疑い。
 昔は強制わいせつというのがあったが、不同意わいせつに変わったようだ。
 見ず知らずの女性に後ろから抱きついて体を触った。
 刑法に定められた犯罪であるし、拘禁刑のみで罰金刑はないので、こちらの方がやや重たい。

 どちらも学校名入りで見出しとなっている。
 校内で起きたわけでもないし被害者がその学校の生徒でもないから、本人実名はともかく学校名まで報道する必要があるのかと思うが、それはマスコミ側の判断だ。
 こうした事件ついて実名報道するかどうかの法的基準があるわけでなく、マスコミ独自の判断となる。

 となれば、話題性を考えて学校名入りとなるだろう。

 殺人事件などの重大事件、振り込め詐欺などの社会問題となっている事件などは実名報道されやすい。
 また、被疑者の職業が政治家、公務員、医師など公的側面を有していたり、世間の注目を浴びる職業である場合には実名報道されやすい。
 私立と言えども先生もまた公的側面を有する職業であるから実名報道されるのは仕方ない。
 が、その事件とは直接関係しない学校の名前まで報道する意味がどこにあるのか。
 マスコミ側にもいろいろ理屈はあるだろうが、要は前述したとおり、その方が読者・視聴者の興味を惹きやすいからだろう。

 ましてこれから受験シーズン本番だ。
 大学や高校への関心が1年中でもっとも高まる季節だ。
 マスコミ側としてはここで学校名を出さない手はない。

 殺人事件のようなよほどの重大事件でない限り、学校名が出ても学生・生徒募集への影響はそれほどはないだろう。
 その先生の問題であって、その学校の問題ではないと冷静に受け止める人の方が多いと考えられるからだ。

 こうした事件で学校名までさらされ、一番迷惑するのは在校生だろう。
 ここのケアが最優先だ。
 (まあ、私ごときが言わなくてもそうするだろうが)
 元々志願してくれるかどうか分からない受験生への影響など、それに比べたらどうということはない。

 私が今もっとも力を入れている学校広報という視点で言うと、こういう時に日頃の広報活動がものを言う。
 もちろん犯罪は犯罪であり、悪いものは悪いのであるが、ステークホルダーとの良好な関係づくりをしておけば、影響は最小限に食い止められる。
 噂に惑わされない真の理解者、応援者、協力者をどれだけ作れるか、これも広報活動の大きな目的であって、生徒獲得だけが目的ではないのである。

 という話を明日の講演会(相手は学校の校長先生)の前振りにしよう。