土曜日(11月23日)の講演会。
 私的なグループの会合なので詳細は明らかにしないが、個人的には非常に得るものが大きかった。
 ギブアンドテイクという言葉があるが、テイクの方が多かったのではないかと思っている。
 主催者にはこの場を借りて御礼申し上げたい。

 さて本日は、先の講演会でも話題になった広報活動におけるターゲット問題。

◆PV数に惑わされる
 私は10年以上にわたり毎日ブログを書き続けている。
 その日のブログを書き始める前に、前日までの閲覧数等を確認する。
 記事内容によっては、閲覧数が万単位になることもしばしば。
 今年1年を振り返ってみても月平均で3本くらいは、そういう記事がある。
 もちろこれはGoogleなど検索エンジンからの流入だ。

 正直、悪い気はしない。
 励みにもなる。
 が、ここで注意しなければならないのは、そうした数字に惑わされないことだ。

 長くやって来たから、どういう内容やタイトルがはねるかは大体分かってきた。
 そこで、一つはねた記事があると、その続編や類似記事を書く。
 そうすると、やはりはねる。
 これは一種の麻薬だ。
 このブログの前身が「先生応援ブログ」であることからも分かるように、学校や塾の先生をターゲットに書いているのだが、ついつい数字を追いかけてしまう。
 つまり、固定票を固めなくてはいけないのに浮動票を取りに行ってしまうのだ。

 固定票と浮動票は両立し難く、浮動票を取りに行ったために、固定票を失うこともある。

◆届けたいターゲットに届いているか
 学校ホームページやSNSにも同様なことが言えるのではないか。
 
 再三述べているように、学校広報の対象は多岐にわたる。
 ターゲットは複数あるということだ。
 そのうちの一つが受験生・保護者である。

 したがって、ここで必要なのは、対象によってメディア(媒体)を使い分けるということだ。
 詳細は省くが、たとえば卒業生対象なら同窓会報や同窓会サイトという手段もあるし、保護者なら学校だよりという手段もある。
 複数の対象に対して複数のメディアを使い分けるという発想が必要なのである。

 さて、そこで。
 たとえばInstagramを生徒募集をメインに運用すると決めたとする。
 そうすると対象は受験生、保護者、中学校の先生、塾の先生となるだろう。
 もちろん地域的には埼玉県及び隣接都県ということになる。
 北海道や沖縄の方にフォローしてもらっても意味がないわけである。

 まあ、ここまではわかりきったことだ。
 問題はその先で、生徒募集ということであれば、さらに対象を絞り込まなければいけないということだ。
 分かりやすい例を挙げれば、男子校には女子中学生のフォロワーは必要なく、女子校には男子中学生フォロワーは不要だ。

 生徒募集に結びつけようとするなら、それに特化したメディアとして育てようとするなら、対象となる地域や性別、学力や興味関心などを明確にしなければならない。
 とりあえず発信するというのでは、募集には結びつかないのである。

◆今からSNS始めるなら
 これからSNSを開設しようと考えている学校も多いだろう。
 だったら、まずは取り掛かる。
 ここまで書いてきたことと矛盾すると思われるかもしれないが、能書きは後回しだ。

 先行している学校に学ぶのは大切だが、地域や学校がおかれたポジションが変れば、結果はまったく異なるのだ。
 最適解は自らの実践によってしか求められない。

 すでに運用している学校で、募集を狙っていながら倍率に結びついていないとするなら、狙ったターゲットに届いていない可能性がある。
 欲しがっている情報を発信できていない可能性がある。

 皆さんの学校のSNS(Instagram)フォロワーの一人は私だ。
 いいね数の一つは私だ。
 仕事としてチェックしているじじいだ。
 そういうのがいくら増えても募集にはつながらない。