政治の話に深入りしようとは思わないが、石破茂首相がいつまでも辞めないことに驚いている。

 会社に入ってもすぐに辞めてしまう若者が急増している一方で、今までならとっくに辞めていると思われる状況でも辞めない人がいる。

 静岡県伊東市の田久保真紀市長なんかも今までだったら辞任したケースだろう。だが、一向にその気配はない。
 高校野球の広陵高校も監督は一時的に退いたが、単に部活顧問を降りただけで、学校や法人の役職を辞任したわけではない。

 もしかしたら、辞めろと言われても辞めずに粘るのがトレンドなのか。
 今日はそんな他愛ない話である。

 引責辞任というのがある。
 経営者や政治家やスポーツチームの監督などが不祥事などの責任をとって自ら職を辞することだ。
 本人が犯罪を犯したのであれば引責もクソもない。
 本人の意思に関係なく即刻クビだ。

 しかし、部下が起こした事件であっても上司がその責任を取って辞める。
 これが今日ここで扱う引責辞任だ。

 これは日本固有の慣習というか文化なのだろうか。他の国ではどうなのだろうか。このあたりはよく分からない。
 が、部下が起こした不祥事であってもマスコミや世間は上司に引責辞任を迫る。あるいは、まだ犯罪かどうか分からない段階でも世間を騒がせご迷惑をかけた責任はあるだろうと辞任を迫る。こういうことが繰り返し行われてきた。

 上司が辞めたところで実は何の解決にもならない場面でもマスコミや世間は引責辞任を迫り、それが実現すると留飲を下げ、非難、追及の矛先は別の組織や別の人に移って行く。

 今まではこれが普通、これが常識だったが、世の中ちょっと変わってきたかもしれない。
 個別の案件に関しては、皆さんいろいろなご意見ご感想もあろうかと思うが、こうして簡単には謝罪しない人、簡単には辞めない人が現れてくると、時代は少し変わり始めたのかと年寄りは思うわけである。