年末恒例の「新語・流行語大賞」。
 自由国民社が「現代用語の基礎知識」の発行にあたり、その販売キャンペーンとして始めたイベントだと思うが、今や季節の風物詩となった。

 どうせ知らない言葉ばかりだろうと思いつつ見てみたが、今年は例年より知った言葉が多い印象だ。
 (あくまでも個人の感想です)

 「オールドメディア」
 「緊急銃猟/クマ被害」
 「国宝(観た)」
 「古古古米」
 「卒業証書19.2秒」
 「トランプ関税」
 「働いて働いて働いて働いて働いてまいります/女性首相」
 「物価高」
 と、こんな感じで時事ネタが比較的多い。
 例年だとスポーツ関係(特に野球)も入るのだが今年は見当たらない。
 なぜだ?

 と、よく見ると、いつのまにかスポンサーがこれまでのユーキャンから保険会社のT&Aグループにかわっているではないか。
 たぶん、そのあたりも影響しているのだろう。

◆高校教育界で流行ったのは?
 これはもう断トツで「(授業料)無償化」だろう。
 流行ったというより、よく使われた言葉。
 
 埼玉県の高校教育界では、令和9年度の公立入試改革が大きな話題だったが、国の予算審議の過程で突如、所得制限なしの私立も含めた授業料無償化の話が出て来た。
 少数与党の自民党・石破茂内閣が、予算を通すために日本維新の会の政策を受け入れ、無償化が一気に進んだ。
 この展開は予想もしていなかった。

 無償化のインパクトは、入試改革など問題にならない。
 それまで、「公立入試改革で公私の関係はどう変わるのか」という質問ばかり受けていたが、今年の春以降は、「授業料無償化で公私の関係はどう変わるのか」がほとんどだ。

 そんなわけで、今年の埼玉県高校教育界あるいは高校受験界における新語・流行語大賞は「(授業料)無償化」で決まり。

◆うちらの新語・流行語大賞
 最初に書いたように、これは企業が考えついたプロモーション戦略だ。
 どんな語がノミネートされようが、どんな語が大賞に選ばれようが、そんなことはどうでもいい。
 瞬間、注目を集めればいいのだ。
 新聞、テレビ、ネットが取り上げてくれればいいのだ。
 誰もしらないような言葉を入れておく。すると、「なに、それ」、「なんで、そんな語が」、「聞いたことないよ」と、賛否の嵐が吹き荒れるだろう。狙いはそこだ。

 さてそこで。
 学校関係者の皆さんに提案。
 「うちらの新語・流行語大賞」を発表したら。
 今年教室で流行った言葉、職員室で流行った言葉。
 思いっきりローカルな話題になるはずだが、それでいい。

 皆さん忙しくて遊んでいる暇はないとは思うが、インスタやショート動画のネタにはなるんじゃないか。
 ただ、こういうのは、あまり長く引っ張ってはいけない。普段通りの真面目な投稿の中に瞬間ぶっこんで、あとは何事もなかったかのように通常に戻るのが大事。