東京一極集中と言われて久しいが、埼玉県は「さいたま市一極集中」が進んでいる。
 埼玉県の総人口が732.2万人。
 さいたま市全体の人口が135.6万人。
 つまり、埼玉県民の18.5%、ざっくり5人に1人はさいたま市に住んでいる。

 さいたま市は、浦和市・大宮市・与野市が合併してできた。その後、岩槻市も加わった。
 現在、10区に分かれているが、浦和区・南区・緑区・桜区は、元浦和市である。だから、これらの区内にある高校には「浦和」と名が付く。大宮区・北区・西区・見沼区は、元大宮市である。区内の学校には「大宮」と名が付く。中央区は、元与野市であるから、与野の名が付き、岩槻区は、元岩槻市であるから、岩槻の名が付く。

 整理しよう。
(★印は私立)

【元浦和市】
▼浦和区
 浦和・浦和一女・浦和西・市立浦和・★浦和麗明
▼南区
 浦和南・浦和商業・★浦和実業
▼緑区
 浦和東・★浦和学院・★浦和ルーテル
▼桜区
 浦和北・常盤

【元大宮市】
▼大宮区
 大宮・★大宮開成
▼北区
 大宮北・大宮科学技術
▼西区
 大宮光陵・大宮南・大宮武蔵野・★埼玉栄
▼見沼区
 大宮東・大宮商業・★栄東

【元与野市】
▼中央区
 与野・いずみ・★淑徳与野

【元岩槻市】
▼岩槻区
 岩槻・岩槻商業・★開智
 
 こうしてまとめてみると、ものすごいラインナップだ。
 公立も私立も、埼玉県を代表する学校がほとんど「さいたま市」に集結している感じ。

 生徒募集面では、さいたま市の高校はいずれも順調だ。商業など専門学科はやや苦戦しているものの普通科に関して言えば、先般の第1回進路希望調査においても定員を割っている学校はない。100万人をはるかに超える人口をかかえていればそうなるだろう。なにせ、区の一つ一つが、他市と肩を並べるほどの人口をかかえているのだ。
 さいたま市各区の巨大さを次の数字て見てもらおう。
 市町村人口ランキングだが、さいたま市だけは「区ごと」になっている。
 
川口市  59.5万
川越市  35.4万
所沢市  34.1万
越谷市  33.8万
草加市  25.1万
上尾市  22.8万
春日部市 22.5万
南区   19.6万
熊谷市  18.9万
浦和区  16.9万
見沼区  16.7万
新座市  16.6万
北区   15.2万
久喜市  14.9万
狭山市  14.6万
朝霞市  14.5万
戸田市  14.3万
三郷市  14.1万
入間市  14.1万
深谷市  13.9万
緑区   13.5万
大宮区  12.6万
鴻巣市  11.6万
ふじみ野市11.3万
富士見市 11.3万
岩槻区  11.1万
加須市  11.1万
中央区  10.4万
坂戸市  9.9万
桜区   9.9万
西区   9.6万
 以下、18市22町1村は省略。

 全県一区の入試制度であるから、学校所在地の人口(特に若年人口)がそのまま募集と結びつくわけではないが、やはり地域に人が多いか少ないかは重要だろう。
 
 昨日紹介した春日部女子・久喜の合同説明会も浦和(埼玉会館)で行われる。
 敵地に乗り込んでの戦い(アウェー)になるわけだが、ここまで一極集中が進んでくると、地元(ホーム)を固めるというだけでは立ち行かなくなるということだろう。
 今後、地元や周辺市町村の人口が減少している学校が、さいたま市など南部に遠征してくるケースは増えるだろう。
 鉄道路線網の関係から、特に県東部地区から、さいたま市含む県南部地区への移動はしやすい。したがって、東武伊勢崎線沿線、宇都宮線沿線の学校が地元を離れ、大宮や浦和で説明会等を行う例が増えてきそうだ。