テレビやネットの情報を鵜呑みにしてはいけない。まったくデタラメということはないが、商業的意図で作られたり書かれたりしているという点を割り引かなくてはならない。また、時間や紙数の制約があるという事情も考慮しなければならない。まあ、そのまま鵜呑みにしてはいけないということだ。

 私の態度は、繰り返し書いているように、可能な限り元のデータや資料を当たるということだ。たとえば、昨日今日の話で言えば、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議による「新型コロナウィルス感染症対策の状況分析・提言」(2020年4月1日) を実際に読んでみる。A4版12ページ。大した分量ではない。
 学校再開については、「文部科学省のガイドライン」を読んでみる。こちらは参考資料も含めてA4版8ページ。

 他にもいくつかあるが、基本的には公式に発表されたものに目を通す。
 政府や役所の発表には嘘がある、データを隠しているという意見も聞かれる。たしかにそのような前科、いや前例があるのは事実だが、嘘だと言う人には信頼し得る本当のデータをぜひ示していただきたい。

 元データや資料を当たることは、学校の授業で言えば、予習のようなもので、予備知識を仕入れた上で、テレビやネットを見れば、より理解が深まる。順序を逆にして、テレビやネットを見てから元データや資料を当たるのでもいい。その場合は復習だ。

 以前にも書いたが、いま我々の目の前にあるのは正解のない問いなのである。しかし、答えは出さなければならない。そして解答期限だけはある。
 解答を出した瞬間、その通り、いやそれは違っていると採点が始まる。厄介なことに結果は採点者によってバラバラだ。それだけではない。同じ採点者でも、今日の採点結果と1週間、1か月後の採点結果が異なるかもしれないのである。

 いま直面しているのは、そういう難問なのであるが、ただ、はっきりしているのは白紙答案は許されないこと、時間切れが認められないことだ(っていう話、二度目だと思う)。

 学校を再開するのか、しないのか。再開するとして、どうような形にするのか。逆に再開しない場合、どんな手を打つのか。正解は誰にも分からないが、少なくとも決定に当たっては、あるいは校内議論に当たっては、元データや情報の共有を図ってほしい。

 テレビのコメンテーターやネットでコメントを寄せる人達も、世論を構成する一部であり、採点者となる権利はあるわけだが、採点者の意見を聞いてから答案を書くのは順序が違うだろう

冒頭写真解説:4月5日参加予定のマラソンは当然中止。主催者からゼッケンや参加賞タオルが送られてきた。500円のクオカードが同封されていたのが他とは違うところ。