プールの水栓締め忘れで先生に損害賠償。
 高知市の小学校(初月小学校)で今年の夏、教師がプールの水を1週間止め忘れ、コロナ禍以前と比べ250万円ほど多くかかってしまった。
 
 そこで高知市は、「市民の財産に大きな損害を与えた」として約半分に当たる132万円を請求することを決めた。
 水道を止め忘れた教師が、請求額の50パーセントにあたる約66万円。校長と教頭が、それぞれ25パーセントにあたる約33万円ほどを支払うということだ。

 このニュース。
 私は昨日(12月27日)、Yahoo!ニュースで見かけたのだが、すでにだいぶ前に報道されていた。
 8月10日付NHKニュースだ。
 小学校プールの水7日間出したまま 下水道代270万円余分に 高知
 
 故意ではないし、誰にだってミスはある。
 あまりにも酷だ。
 そう思うのだが、高知市としては前例に基づいた決定なのだと思う。
 実は、過去にも類似の事案は発生しており、教員や管理職が損害賠償を求められている。
 それに倣ったものであろう。
 お役所にありがちな前例踏襲というやつだ。

 それにしても、同様な事案がいくつもあることに驚かされた。
 皆さんもご興味があれば、「プールの水栓締め忘れ、損害賠償」などとそれらしい語句で検索をかけてみたらよろしい。
 千葉市や綾瀬市など、さまざまな類似事案が引っかかってくるだろう。

 これまでにも同じようなミスが発生し、また同じことが起こる。
 普通、このような場合、注意喚起するだけでなく、システムで解決する、または防ぐという方法を考えるべきなのだ。
 二度とこのような事が起こらないように注意します。
 そう思っても、また起こる。
 ということは、ヒューマンエラーが起こる前提で仕組みを変えて行かなければ、今後も起こり続けるということだ。

 今どき、電気を点けたり消したり、水を出したり止めたり、何だって自動化でき、遠隔操作できるのだ。
 プールの水栓の開け閉めがオートで出来ないはずがない。
 何ならそうした管理を外注(アウトソーシング)する手だってある。
 なぜ、そこに手を付けない。
 「市民の財産に大きな損害を与えた」というなら、何も手を打たないできた市や教育委員会も同罪だろう。

 現場は、特に小学校はマンパワーが圧倒的に不足していると思われる。
 何でもかんでもやらなきゃならないクソ忙しい小学校(中学校もそうだけど)の先生に、これ以上負担をかけてはいけない。
 システムで防げることをいつまでも人力に頼ろうとするから、このようなことになる。
 
 ミスは自腹で埋めろ。
 これこそブラック企業そのものやり方で、こんなことでは教員希望者がさらに減って行くぞ。
 今回のミスが最後の事案になることを祈るばかりだ。