前回からの続き。

●固定担任制の廃止
 固定された担任ではなく、すべての先生ですべての生徒を見るという方式。
 マスコミは、1学級に一人の担任という学校の常識を覆すものとして賞賛している。
 高校生ぐらいになれば、担任なんてどうでもよくなるが、生活指導が重要な中学校では、決まった担任がいたほうが良さそうに思えるが、多くの目で、いろんな角度から生徒を見てあげるという考え方は悪くない。

 麹町中学校は1学年3クラスないし4クラスの編成だから、すべての先生がすべての生徒を知ることも可能だが、5クラス6クラスあるいはそれ以上である場合は、デメリットも増えそうだ。その場合、2クラスか3クラスを一つのユニットとして、そこに3人~5人を配置して、集団指導体制をとるなどの工夫が必要だろう。

 以前にも書いたが、私は教員時代、正副の区別をつけない「二人担任制」というのを経験している。正副となると、正の負担が圧倒的に多くなるが、区別がないので五分五分。生徒の方も、「この話はこっちの先生に頼もう」、「これはこっちの先生に相談しよう」などと、うまく使いわけていたようだ。

 固定担任制の短所を克服する方法として、一気に全員担任制に持って行く前に、その中間的な方法を模索してみる必要があるだろう。

●定期考査の廃止
 一切のテストを廃止するなら画期的と言えるが、単元が終わるごとに小テストを行い、年に5回の実力テストを実施するというから、それほど驚くような話ではないだろう。むしろテストの回数が増えて、先生の負担(問題作成や採点)が増えるだろう。

 まあ、私立中学校では、学力を定着させるために小まめにテストを行っているから、公立中学校も頑張ってくださいというところだ。

●宿題の廃止
 勉強が出来る子にとって宿題ほど迷惑なものはない。でも、宿題を出さないと家で何もしないとか、何をやったらいいかさえ分からない子はどうするか。
自ら学ぶ姿勢を育てるのはいいが、宿題がなくなれば、自分で考えてやるかというと、そう簡単には行かないわけで、先生方の力量が問われるところだろう。(つづく)