このブログでは滅多に扱わないニュース。
 やたら長い見出しだが、埼玉新聞にこんな記事があった。

 嫌がっているとは…教育実習生にわいせつ行為、小学校教諭を懲戒 校長指導も最終日に連絡先交換、翌日に…(埼玉新聞)

 この件に係る懲戒処分については埼玉県ホームページに掲載されている。

 教職員の懲戒処分について(埼玉県教育局小中学校人事課)

 男性教諭は24歳というから教員2年目か3年目だろう。
 若い。
 まだ「ひよっこ」。
 まさか、この若さで実習の指導教諭ということはないだろう。
 が、もしかしたら、それもありうるのが小学校の現状だというのが今日の話題だ。

 私の事務所の近くに小学校(さいたま市立高砂小学校)がある。
 登下校の様子はもちろん、体育の授業や昼休みの児童たちの様子もいつも見ている。

 子供っていうのは、広い所では必ず駆け出すものなんだな。
 子供っていうのは黙って行動することはできないんだな。
 個人差はあるにしても、身体のサイズで学年が分かるな。

 と、こんな観察をしているわけだが、あまり長い時間みていると不審者と思われそうだ。

 そんな中、特に感じるのは先生の若さだ。
 自分が年を取り過ぎたためなのか。
 なにせ50歳が若く見えるほど年を取ってしまった。
 自分には大学生と同じくらいにしか見えないが、もしかしたら30歳は超えているかもしれない。
 これは本職に聞いてみるしかない。

 私の弟が定年をとうに過ぎ、再任用期間も終え、それでもまだオファーが来るというので現役教員を続けているので聞いてみた。
 「小学校の先生が、そこらの兄ちゃん姉ちゃんぐらいにしか見えんのだが、気のせいか?」
 「そうだよ。若いもんばかりだよ」
 そうか。気のせいではなかったのだ。
 4~5年で学年主任ということだってあるのが今の小学校だそうだ。
 
 自分は高校教員だったが、1~3年まで全学年を二巡して、教務・進路・生徒指導など全分掌を経験して、ようやく主任になったのはたしか10年目。
 それでも若過ぎると言われた。
 全学年一通り経験するには最低6年必要な小学校なのに、それっぽちで主任務まるのか。
 が、別に珍しくないのだという。

 数字で確かめてみよう。
 埼玉県の統計だ。

 令和元年度 学校教員統計調査

 ほんの少し古いが文部科学省の調査が3年に一度のようだから仕方ない。
 少なくとも傾向だけはつかめるだろう。

 

 なるほど。
 統計は5歳刻みだが、20代、30代とまとめてみると、30代の割合が最も高い。
 20代も4060人で1万7336人中の23.4%を占める。
 ざっくり4人に1人くらい。
 20代と30代を合わせると56.4%で過半数を超え、40代50代を上回る。
 若く見えるのではなく、実際若いのだ。

 新聞やテレビで教員が足りないとか、教員を目指す若者が減ったとかいうニュースばかり見せられると、若い先生が少ないようなイメージを勝手に持ってしまう。
 しかし、こうした数字を見ると、むしろ足りないのは中堅、ベテランの先生ではないかと思えてくる。

 若いもんが多い職場は活気があってよろしい。
 だが、どんな職場、職業であっても先輩や指導者が欲しい。
 目指すべきロールモデルが欲しい。

 と、こんな感想を持った次第である。