本日、午前は私立学校へ、午後は公立学校へ。生徒募集について助言を求められるが、私の答えはいつも決まっている。
 生徒が集まらないのは知名度に欠けるからだ。

 学校は教育の中身じゃないですか?
 その通り。
 だがそれは、十分に知名度がある学校同士が比較されたときの話である。
 
 募集に苦戦している学校は、存在自体が知られていない
 「いや、地元では結構知られていますよ」
 だからね、その発想、というか思い込みをいったんリセットしようよ。
 知られているを出発点にしないで、知られていないからスタートする

 正確なデータがあるわけではないが、募集側が「うちの学校は10人中7人が知っている程度の知名度がある」と考えているとき、受験生側の知名度は10人中5人がいいところである。
 たいていの学校は、わが校の知名度を期待も含め多めに見積もってしまう。すなわち、前提を間違ってしまう。間違った前提に立ったプロモーションがうまく行くはずがない。

 だから、知名度はやや低めに見積もるぐらいがちょうどいい。知られていないからスタートするとは、そういう意味である。

 教育内容や方法を見直し、教育の質の向上を目指す。
 こっちが先じゃないかと言う人がいる。
 いや、後先の問題じゃない。

 教育は募集のためにあるものではなく、教育の質の向上は、いま目の前にいる生徒たちのために必要なことである。学校が学校である限り、常に考えるべき永遠の課題である。
 永遠の課題である教育の質の向上と、当面の課題である募集広報とを、どっちが後だ先だと議論しても始まらない。
 
 これまで何度も言ってきたが、教育の質が向上すれば自動的に募集がうまく行くわけではない
 私の見聞の範囲では、「この教育じゃあ、生徒が集まらないな」と思うような学校は少なく、「これだけの教育をしているのに、なぜ生徒が集まらないのか」と残念に思う学校がほとんどだ。
 先生方。教育には自信を持っていいですよ。
 でも、募集広報がド下手だ。