用心深さは勇気の大半である」とはギリシアの詩人・エウリピデスの言葉であるようだ。用心深いということは真に勇気ある行動なのだというほどの意味であろう。
 
 昔は台風が来ても、電車は動けなくなるまで動かしたものだ。それが今は、早々に計画運休または全面運休を決めてしまう。鉄道だけではない。スーパーやコンビニも休業または営業時間短縮を決めているところが多い。
 私のような昔気質は、心配し過ぎじゃないかと思ったりもするわけだが、危ないと感じたら避けたり逃げたりするのが正しい行動なのだ。心配性と言われようと、小心者・臆病者と笑われようと、身の安全を守ることを優先すべきなのだ。

 今回の台風19号は、そのコースや規模から狩野川台風(昭和33年9月26日)と比較されている。この台風では伊豆半島を流れる狩野川が決壊し1000人を超える死者・行方不明者を出した。
 私は小学校1年生だったが、狩野川台風の記憶はまったくない。だが翌34年9月26日の伊勢湾台風のことはよく覚えている。こちらの被害はさらに大きく、5000人の被害者が出た。

 このように昭和の台風では4ケタの人的被害が出ることもあったが、平成の台風ではそこまでの被害は出ていない。自然災害対策が進み、人々の警戒意識が高まったためだろう。狩野川台風・伊勢湾台風のころは、スマホはおろかテレビさえなく頼りはラジオだけだったが、今は正確かつ迅速に情報がもたらされる。これも人的被害を減らしている要因だろう。

 日本列島に暮らす以上、地震や台風など自然災害から逃れられないが、何があっても犠牲者が出ない国にすることは可能だ。それには国や自治体の施策も重要だが、まずは一人一人が「用心深さは勇気の大半である」を肝に銘じ、自分の身は自分で守らなければならない。

 やむを得ぬ事情で出社したが、風雨が強まる前に引き上げることにしよう。
 ちなみに今日の出社は徒歩で、スタイルはこんな感じ。登山用のレインウエア着用。