もう何度も言ってきたが、大学や高校の入試にスピーキングを入れても、子供たちのスピーキング力は上がらない。上がるのは、入試スピーキングへの対応力のみである。
これは記述問題についても同じこと、面接も小論文も討論も全部同じ。入試に入れれば、入試対策が始まり、入試で高得点を取るスキルだけが向上する。
私は必ずしもそうは思わないが、仮にスピーキング力向上がわが国の英語教育における最大の課題だとする。
とすれば、誰だって最初に考えるのは、英語教員の増員、とりわけ英語ネイティブ教員の増員でしょう。これ以外にあります?
あとは、生徒はもちろん現役教員の留学機会を増やすとか、交換留学生を増やすとか。
ただ問題なのは、数百億とか数千億といった巨額な予算を必要とすること。それに比べれば桜を見る会の5700万円なんて、ちっちぇえ話だ。
あまりにも金がかかるから、この根本課題を大学入試改革とパッケージにしてポンと民間に丸投げしてしまった。それで、あたかも英語教育改革であるかのように言い募る。
嘘だよ。と言うか、こつは無理筋だ。
民間の力を活用する。
それ自体は悪い話ではないが、民間はビジネスだから基本儲からないことはやらない。資格試験を大都市中心に行うのはイロハのイ。地方でなんかやるわけない。
じゃあ、それを見越して地方在住者のために、あるいは低所得者のために、受験料・交通費・宿泊費を補助する仕組みでも作ったか。
聞いてないな。
まずはやってみて、徐々に改善して行けばいいではないかという意見も聞かれるが、事と次第による。
この件に関しては、根本の発想が違っているので続けても良くはならない。
英語スピーキング力の向上が英語教育の大きな課題であるとすれば、ちょっと入試をいじくったくらいでは解決しない。いったん入試とは切り離して考えよう。その前にいくらでもやるべきことがあるじゃないか。
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