本日は「よみうり進学メディア10月号」の取材で東松山市にある東京農大三高に行ってきた。東京に一高があり、群馬・高崎に二高があり、埼玉に三高がある。四高はない。

 「農大三高」とか「農三(のうさん)」などと略されるが、正式には東京農業大学第三高等学校である。取材の模様は別に書くつもりだが、このように校名に大学が入る学校が埼玉には7校ある。本日はその話だ。

◆校名に大学名が入っている高校
 青山学院大学系属浦和ルーテル学院高等学校
 城西大学川越高等学校
 東京成徳大学深谷高等学校
 東京農業大学第三高等学校
 東邦音楽大学附属東邦第二高等学校
 武蔵野音楽大学附属高等学校
 早稲田大学本庄高等学院

 知名度では、早稲田大学本庄高等学院(早大本庄)が群を抜いている。
 浦和ルーテル学院に「青山学院大学系属」と付いたのは最近のことだ。附属ではなく系属というところがミソで、企業に例えるなら資本関係ではなく業務提携に近い形と言えばいいのだろうか。

 
◆校名に「大学」と付かないが附属(系列)と分かる高校
 これに対し、校名に「大学」の文字がなくても、たいていの人が大学附属だと分かる学校が4校ある。

 大妻嵐山高等学校(大妻女子大学)
 慶応義塾志木高等学校(慶応義塾大学)
 獨協埼玉高等学校(獨協大学)
 立教新座高等学校(立教大学)
 
 ここまで11校。
 私立全日制高校は埼玉県内に48校あるから、約4分の1。結構あるものだ。

◆高校の方がたぶん、よく知られているケース
 中学や高校が既にあって、その後に大学が作られたようなケースでは大学の知名度の方が低いことがある。

 浦和実業学園高等学校(浦和大学)
 開智高等学校・開智未来高等学校(開智国際大学)
 春日部共栄高等学校(共栄大学)
 秀明高等学校・秀明英光高等学校(秀明大学)
 淑徳与野高等学校(淑徳大学)
 正智深谷高等学校(埼玉工業大学)
 西武学園文理高等学校(西武文理大学)
 埼玉栄高等学校・栄東高等学校・花咲徳栄高等学校・栄北高等学校(平成国際大学)
 
 四年制大学ではないが、秋草学園高等学校(秋草学園短期大学)、国際学院高等学校(国際学院埼玉短期大学)、山村学園高等学校・山村国際高等学校(山村学園短期大学)もとりあえずこの仲間に入れておこう。
 
 正智深谷は、以前は埼玉工業大学深谷高校と言っていた。
 ここでは取り上げなかったが、昌平高校は、東和大学昌平高校と言っていた時代もあったが、今は無関係。というか、大学そのものが閉校になった。前述の浦和ルーテル学院が青山学院大学系属となって俄然注目を浴びたのに対し、昌平は東和大学との縁が切れてから大躍進が始まった。

 以上、県内私立48校中28校が、附属や系属や系列という関係性で大学とつながっていることが分かった。

◆大学狙いで選ばれる高校は
 系列に大学がある高校は、その大学に優先的に入学できる特典が与えられるのが普通だから、大学人気が高校人気に直結する。
 早稲田大学本庄高等学院
 慶応義塾志木高等学校
 立教新座高等学校
 このあたりは大学のブランド力と優先入学の特典が高校の人気を支えていると言っていい。系属という形だが、青山学院大学系属浦和ルーテル学院も、この口だ。

 微妙なラインにいるのは、本日訪問した東京農業大学第三高等学校や、獨協埼玉高等学校、大妻嵐山高等学校あたりだろうか。系列大学狙いも一定数いるが、どちらかと言えば系列以外の他大学進学が主流だ。
 系列大学を売りにするか、他大学進学を前面に押し出すか、悩ましいところだ。

 ちなみに、東京農業大学第三高等学校は、東京農業大学進学者も100人以上いるが、基本は他大学進学だそうである。附属中学校が開設されて以降は特にその傾向が顕著らしい。
 まあ、東京農業大学自身が、生命・環境・健康・エネルギーなどに関心が集まる時代背景の中、附属からの学生供給に頼らなくていい状態だから、無理に送り込んで来なくてもいいですよということなのだろう。