端末の家庭への持ち帰りについてのニュースだが、どういう意図でこの記事が書かれたのかよく分からん。
 Yahoo!ニュースにも転載された記事がこちら。 
 「小中学校で整備の端末、埼玉の6市町で持ち帰り認めず 家庭の通信環境が未確認の学校も 蓮田市は方針転換」(埼玉新聞2021年5月16日)
 ちなみに、紙の新聞では第二社会面の一番下に小さく載っており、見出しは「端末持ち帰り6市町で不可 GIGAスクール構想」

 以下、埼玉新聞からの引用
 国の「GIGAスクール構想」で本年度から小中学校で1人1台、整備された端末について、県教育局は14日、川口市など6市町で端末の家庭への持ち帰りを認めていないことを明らかにした。蓮田市は14日に方針転換し、持ち帰り可能とした。
 県内の市町村では学校の通信環境を整備し、端末も配布済み。高田直芳教育長は同日の会見で「持ち帰りのルールが決められておらず、家庭の通信環境の確認が済んでいない学校もある」と説明。県の担当者は「県からも呼び掛けており、6市町も(持ち帰りに向けて)準備を進めている」とした。
 以上、引用おわり。(太字は筆者による)

 要するに、持ち帰りに向けての準備が遅れている市町村があるという話。
 6市町は県内63市町村(40市、22町、1村)の約1割。
 まあ、そういう市町村もあるだろう。
 ただし、その6市町も「(持ち帰りに向けて)準備を進めている」というから、見出しにある「持ち帰り認めず」「持ち帰り不可」というのはどうなんだろう。

 教室での授業で頻繁に使うようになれば、それに伴って家庭での予習や復習、あるいは課題・宿題などでも使われるはずだから、持ち帰りは当然の流れだ。
 そこを反対している教員はいないだろう。
 埼玉県では、今は学校での対面授業が行われているが、いつまたオンライン授業が求められる状況にならないとも限らない。
 よって、早急に持ち帰りルールを定め、通信環境が整っていない家庭への対応も決めなくてはならない。

 9割は持ち帰りが進んでいるが、1割ほど遅れている市町があるぞ。
 もっと対応を急ぐべきじゃないのか。
 そういう話なのだが、それではインパクトに欠けるので、「認めず」「不可」などと、いかにも持ち帰りを拒んでいるかのような見出しで読者を誘おうということだろう。

 ちなみに、私の住む「さいたま市」では、昨年の段階で「児童生徒が家庭でのインターネットを利用した学習ができるようにする」、また「貸し出し用の Wi-Fi ルータを整備し、学校に整備しているタブレット型コンピュータを持ち帰って、家庭でのインターネットを利用した学習が継続できるようにする」という方針の下、持ち帰り前提の施策が推し進められている。
 下記は児童用パンフだが、持ち帰りについては、「持ち帰り用の袋を用意しましょう」、「家に持ち帰ったら必ず充電しましょう」などと書かれている。