昨年度、大幅に定員割れした学校は、今年どんなプロモーションを展開しているのか。
これが本日のお題である。
調べたのは公立普通科校で、2ケタの欠員補充を行った学校のWEBサイトだ。
生徒募集は、WEBサイト上で完結するものではなく、イベント参加、塾・中学校訪問、説明会・相談会などさまざまな手段で行われなければならないが、WEBサイトを見れば、何となくその学校の姿勢が見えてくるのではないか。
では、順に見て行こう。
◆鳩山高校 募集120 欠員補充62
私立の募集担当者だったら「えっ、たった4回?」と驚くだろうね。
志願者が少ない学校は、単純に説明会を増やせばその分だけ増やすことができる。
8月に1回入れているが、9月・10月の激戦期を外している。
◆蓮田松韻高校 募集200 欠員補充79
トップページ上部に「中学生の皆さんへ」が貼り付けられている。
やる気は伝わってくる。
夏休み中に説明会1日、部活体験4日。
その後3回の説明会と3回のイブニング説明会を予定している。
この学校は陸上競技部(特に競歩)が強いね。
「関東陸上、競歩で6位入賞」
4位までがインターハイ出場なので惜しかった。でも、まだ2年生。来年がある。
◆妻沼高校 募集120 欠員補充28
ここもトップページ上部に「中学生の皆さんへ」が貼り付けてある。
やる気は伝わる。
が、回数が少ないかな。
説明会は3回(8月、11月、1月)。それと夜間のショートタイム説明会が2回。
熊谷市にある学校だが、まずは「めぬま」と正しく読んでもらえるようにしたい。
◆川越初雁高校 募集200 欠員補充43
トップページ上部に夏の体験入学のお知らせ。
これは目立つ。やる気も伝わってくる。
その後、10月から2月まで月1回の説明会。プラス夜間の個別相談会。
最新情報の更新頻度もかなり高い。
私は去年この学校の授業を見に行った。
「川越初雁高校で、チャレンジングな授業を見て大満足」(2020年11月18日)
◆小川高校 募集200 欠員補充37
説明会は全部で5回。
夏に2回あるが、その後9月から11月はなく全部で5回。
最新情報の更新頻度はかなり高い。
◆栗橋北彩高校 募集200 欠員補充38
去年の情報載せてたらダメでしょう。
説明会5回、個別相談会2回、体験入学1回。
せっかくこれだけやるんだからホームページで告知しないと。
最新情報の更新は多いんだけどね(どうやら校長が熱心らしい)。
◆白岡高校 募集160 欠員補充31
回数は5回(年内3回、年明け2回)とまずまずだ。
◆岩槻北陵高校 募集160 欠員補充25
回数は5回でまずまず。
◆上尾橘高校 募集160 欠員補充21
1回目の告知しか見つからない。
年間予定を示さないと。
県総合教育センターのサイトで調べたら、説明会3回と個別相談1回。
もうちょっとあってもいいか。
定員割れ校はまだまだあるが、今日はここまで。
◆余計なお世話と思いつつアドバイス
私立的感覚なら、まずはもうちょっと説明会の回数を増やしてみようとなるが、公立にはあまりこの発想がないようだ。
募集弱者の学校は、スポーツの弱小チームがそうであるように、予選リーグから戦い始め、敗者復活戦まで戦わなけばならない。
早く始めて遅くまで戦う。
ところが、概してスタートは遅めである。
学校の内容云々以前に知名度・認知度が圧倒的に不足しているのだ。
大変だとは思うが、周知に時間がかかるのであるから、早めのスタートが必要だ。
定員割れ校は、9月から11月にかけての激戦期を避けて日程を設定する傾向にある。
この時期はどうせ目を向けてもらえないだろう。
もしかしたら、そう思っているのかもしれない。
しかし、ここに果敢に攻め込んでいくことで活路が開けるかもしれない。
仮に5人、10人しか来てくれなくても、その子たちは実際に志願してくれる確率は高い。
そして、その子たちは入学後、リーダー的役割を果たしてくれる可能性がある。
定員割れ校も、あと10人、20人志願者が増えれば、まったく違った景色が見えてくる。
まずは早い仕掛け。
次に激戦期への果敢なチャレンジ。
そして、終盤戦の手厚いフォロー。
いずれにしても、例年と同じことをやっていたのでは、同じ結果しか得られない。
【追加情報】
6月25日現在。ようやく埼玉県立総合教育センターの入試情報のページに公立各校の説明会日程が掲載された。
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