昨年度、大幅に定員割れした学校は、今年どんなプロモーションを展開しているのか。
 これが本日のお題である。
 調べたのは公立普通科校で、2ケタの欠員補充を行った学校のWEBサイトだ。

 生徒募集は、WEBサイト上で完結するものではなく、イベント参加、塾・中学校訪問、説明会・相談会などさまざまな手段で行われなければならないが、WEBサイトを見れば、何となくその学校の姿勢が見えてくるのではないか。
 では、順に見て行こう。

鳩山高校 募集120 欠員補充62
 
 私立の募集担当者だったら「えっ、たった4回?」と驚くだろうね。
 志願者が少ない学校は、単純に説明会を増やせばその分だけ増やすことができる。
 8月に1回入れているが、9月・10月の激戦期を外している。

蓮田松韻高校 募集200 欠員補充79
 
 トップページ上部に「中学生の皆さんへ」が貼り付けられている。
 やる気は伝わってくる。
 夏休み中に説明会1日、部活体験4日。
 その後3回の説明会と3回のイブニング説明会を予定している。
 この学校は陸上競技部(特に競歩)が強いね。
 「関東陸上、競歩で6位入賞」
 4位までがインターハイ出場なので惜しかった。でも、まだ2年生。来年がある。

妻沼高校 募集120 欠員補充28
 
 ここもトップページ上部に「中学生の皆さんへ」が貼り付けてある。
 やる気は伝わる。
 が、回数が少ないかな。
 説明会は3回(8月、11月、1月)。それと夜間のショートタイム説明会が2回。
 熊谷市にある学校だが、まずは「めぬま」と正しく読んでもらえるようにしたい。

川越初雁高校 募集200 欠員補充43
 
 トップページ上部に夏の体験入学のお知らせ。
 これは目立つ。やる気も伝わってくる。
 その後、10月から2月まで月1回の説明会。プラス夜間の個別相談会。
 最新情報の更新頻度もかなり高い。
 私は去年この学校の授業を見に行った。
 「川越初雁高校で、チャレンジングな授業を見て大満足」(2020年11月18日)

小川高校 募集200 欠員補充37
 
 説明会は全部で5回。
 夏に2回あるが、その後9月から11月はなく全部で5回。
 最新情報の更新頻度はかなり高い。

栗橋北彩高校 募集200 欠員補充38
 
 去年の情報載せてたらダメでしょう。
 説明会5回、個別相談会2回、体験入学1回。
 せっかくこれだけやるんだからホームページで告知しないと。
 最新情報の更新は多いんだけどね(どうやら校長が熱心らしい)。

白岡高校 募集160 欠員補充31
 
 回数は5回(年内3回、年明け2回)とまずまずだ。

岩槻北陵高校 募集160 欠員補充25
 
 回数は5回でまずまず。 

上尾橘高校 募集160 欠員補充21
 
 1回目の告知しか見つからない。
 年間予定を示さないと。
 県総合教育センターのサイトで調べたら、説明会3回と個別相談1回。
 もうちょっとあってもいいか。

 定員割れ校はまだまだあるが、今日はここまで。

◆余計なお世話と思いつつアドバイス
 私立的感覚なら、まずはもうちょっと説明会の回数を増やしてみようとなるが、公立にはあまりこの発想がないようだ。
 募集弱者の学校は、スポーツの弱小チームがそうであるように、予選リーグから戦い始め、敗者復活戦まで戦わなけばならない。
 早く始めて遅くまで戦う。

 ところが、概してスタートは遅めである。
 学校の内容云々以前に知名度・認知度が圧倒的に不足しているのだ。
 大変だとは思うが、周知に時間がかかるのであるから、早めのスタートが必要だ。

 定員割れ校は、9月から11月にかけての激戦期を避けて日程を設定する傾向にある。
 この時期はどうせ目を向けてもらえないだろう。
 もしかしたら、そう思っているのかもしれない。

 しかし、ここに果敢に攻め込んでいくことで活路が開けるかもしれない。
 仮に5人、10人しか来てくれなくても、その子たちは実際に志願してくれる確率は高い。
 そして、その子たちは入学後、リーダー的役割を果たしてくれる可能性がある。

 定員割れ校も、あと10人、20人志願者が増えれば、まったく違った景色が見えてくる。
 まずは早い仕掛け。
 次に激戦期への果敢なチャレンジ。
 そして、終盤戦の手厚いフォロー。
 
 いずれにしても、例年と同じことをやっていたのでは、同じ結果しか得られない。

【追加情報】 
 6月25日現在。ようやく埼玉県立総合教育センターの入試情報のページに公立各校の説明会日程が掲載された。