夏休みに入ると、各校のホームページ更新頻度は落ちるのではないか。
 そう思われがちだが、過去の経験から見ると、夏休みに入って最初の1~2週間、つまり7月中は、それほど大きくペースダウンしない。部活動の大会や夏期講習、学校説明会、海外研修などがあり、学校そのものは意外に活発に動いているからだ。

 8月に入ると、お盆休みに向かって更新頻度は少しずつ落ちていく。お盆前後は学校閉庁日となるため、ホームページの更新も原則として止まる。そして8月後半になると、説明会や部活動体験、2学期準備などの情報が増え、再び活発化する。

 毎年、おおむねこのような流れになる。

◆9日間で35本の新着情報
 そんなことを考えながら各校のホームページをパラパラと見ていたところ、これまであまり見たことのない新着ニュースが目に入った。
 春日部女子高校である。

 同校は7月21日から31日まで、土日祝日を除く9日間に、何と35本もの新着情報を発信している。
 インスタグラムであれば、これくらいの頻度で投稿する学校もあるが、学校ホームページとしてはかなり多い。

 35本のうち9本は部活動に関する発信だった。ほかには海外研修などもあるが、夏休み中なので通常授業は行われていない。そこで同校が積極的に発信しているのが、夏期進学補講、いわゆる夏期講習の様子である。

 短い動画も掲載されている。こうした動画はインスタグラムとの相性がよさそうだ。10秒程度の動画をインスタグラムで流し、そこからホームページに誘導して、もう少し長い動画や詳しい説明を見せる方法も考えられる。このあたりは今後の検討課題だろう。

◆「夏期講習を見せる」という発想
 今回、もっとも注目したのは、夏期進学補講を中学生や保護者が見学できるようにしたことだ。
 同校は7月27日から31日までを「中学生向け夏期講習見学週間」と定め、予約なしで見学できるようにしている。
 春日部女子高校は土曜授業を実施していない。そのため、中学生や保護者が普段の授業を見る機会は限られている。その不足を、夏期講習の見学で補おうというわけだ。

 夏休み中は授業見学ができない。私自身、そう思い込んでいた。
 しかし、夏期講習を見せればいいのである。
 「その手があったか」と思わせる新しい発想だ。

 もちろん、中学3年生は自分自身の塾の夏期講習で忙しい時期である。どれだけの参加者が集まるかという問題はある。ただし、中学1・2年生であれば比較的参加しやすい。学校を早い段階から見ておきたい家庭にとっては、貴重な機会になるだろう。

◆授業見学は人数で測らない
 ミニ説明会を組み合わせた土曜授業公開であれば、それなりの参加者が見込める。
 一方、授業見学だけでは、大勢の中学生や保護者がやって来るとは限らない。

 すると学校内では、「あまり集客が見込めないので、実施する意味がない」という意見が出てくる。
 だが、これは評価の物差しを間違えている。

 授業見学は、参加人数を追求するイベントではない。学校ごとの授業の違いを知りたい、実際の学びの様子を自分の目で確かめたいという、勉学意欲の高い中学生や保護者のためのイベントである。
 参加者は少なくてもいい。むしろ、そこで出会えるのは、その学校の教育内容に強い関心を持つ、質の高い志願者候補である可能性が高い。
 学校説明会や部活動体験は、どうしても参加人数に目が行く。しかし、すべての広報イベントを同じ物差しで測ってはいけない。

 夏期講習を見せるという春日部女子高校の試みは、派手な集客策ではない。だが、授業を見たいという少数の中学生に応える、教育内容を中心に据えた広報である。
 授業見学は「何人来たか」ではなく、「どのような関心を持つ人に、何を伝えられたか」で評価すべきなのである。