スケートボードで金メダル。へえ、そうなんだ。テレビではもてはやされているようだが、年寄り的にはさしたる感動はない。

 異色の競技と言えよう。
 元々は若者文化やファッションと結びついたもので競技性はなかった。
 競技団体も、選手たちも「ぜひともオリンピック種目に」と動いた気配はない。
 何とかオリンピック種目にとどまろうと必死にロビー活動している野球やソフトボールとはえらい違いだ。 
  
 おそらくIOCの方が強く望んだのだろう。
 むろん、狙いは若者取り込み策だ。

 この競技は競技者年齢が低い。
 そもそも若者文化であり、若者ファッションであるから当然だ。

 見たところ、用具にそれほど金がかかっているようには思えない。
 海外遠征でもしようとなれば別だが、競技を始める際のハードルは低そうだ。
 圧倒的な筋力とか、心肺能力とかも必要なさそうだ。
 相手との駆け引きや作戦もさほど重要とは思えない。
 巧緻性、柔軟性といったところは必要そうだ。
 それと発想力。

 そのように考えてみると、いかにも若者向きであり、むしろ若いほど有利ではないかと見えてくる。
 IOCはそこに目を向けた。
 スケートボード、スポーツクライミング、サーフィン。
 これらはすべて、若者に人気のスポーツを取り込んで生き残りを図るための策だ。
 この策が成功するかどうかは分からない。
 しかし、イベント主催者が商業的に考えるとすれば、当然こうした方向を模索するしかない。

 スポーツの将来はどうなるのか。

 競技が盛んになるためには、競技人口を増やさなければならない。
 そのため、スターの登場が必要なのは昔も今も変わらない。

 昔と違うのはファッション性が大事というあたりか。
 ダサいファッションの競技はどんどん廃れる。
 汗臭いのもダメ。
 もちろん汗はどんな競技だってそれなりにかくものだが、臭い印象がダメなのだ。
 高野連あたりも、よく考えた方がいい。

 それと、子供の数が減ってきた今、人数も重要だ。
 15人揃わないとできないラグビーが7人制を取り入れたのは時代の必然だろう。
 今後はこちらが主流になるかもしれない。
 3対3のバスケ、2人で出来るビーチバレー、5人で出来るフットサル。
 狭い場所で少人数でも出来る。
 いろんな競技がそういう方向に進んでいる。

 さて、そうなるとここでも野球が心配になる。
 9人でやる野球を残してもいいが、6人制野球とか何か新しい種目を考え出さないと危ないぞ。