今日のお題は、やはり浦和(浦高)の進学実績は他校とは一味違うなという話である。
 まず、この表を見てもらおう。
 スマホ画面ではちょっと見づらいと思うが、2021年3月の浦和の合格件数を大学別に多い順に並べてみた。
 ふだんあまり目にしないと思うが、作ろうとすれば誰でも簡単にできる。
 
 現浪合計の、のべ合格人数だが、これを見れば、浦和においては早稲田合格者が170人で一番多かったことが分かる。次が明治で153人、次が慶応で102人。
 東大が46人で6番目に来ているところがさすがだ。

 20位までで区切っているが、この中に早慶上智すべてプラス東京理科大、MARCHすべて、さらに「旧7帝大+東工・一橋」のうち7大学が含まれている。
 ただし、浦和の場合、私立は主要大学のみの発表であり、早慶上智、理科大、G・MARCH、日大、同志社・立命館以外は、その他扱いになっている(医学部は除く)。その他は133人となっているので、もしかしたら、その中に上記人数を上回る大学が含まれる可能性はある。

 だが、実際の進学者数を見ると、明治が11/153、中央が10/74、法政が6/42、立教にいたっては0/32であり、このレベルでさえ、いわゆる「すべり止め」で受けている生徒が多いと推測されるので、日東駒専や大東亜帝国をそれほど受けているとは考えにくい。
 よって、この表をもって浦和の傾向と考えてもらっていいだろう。

 さて。
 この浦和の結果を見て、似た傾向を示している学校はどこかと考えてみた。
 まあ思い当たる学校には限りがある。

 で、比較検討にあたっての条件は、次の3つである。
 1 その学校のトップ20の中に早慶上智がすべて含まれている。
 2 その学校のトップ20の中にMARCHがすべて含まれている。
 3 その学校のトップ20の中に「旧7帝大+東工・一橋」の9校中5校以上が含まれている。

 いや、3番目はかなりハードルが高そうだ。
 とりあえず今日のところは、1と2だけで行ってみよう。

 まずは公立で、誰もが予想する大宮。
 
 1と2をクリアした上で、「旧7帝大+東工・一橋」も東大を含む4校。
 ただ、ここもMARCH以下はその他扱いで、その数が459人(件)あるので、日大・東洋あたりが上位に来る可能性はある。

 次に浦和一女。
 
 旧帝は東北大のみ。浦和一女も日女・東女・津田塾の三女子大、ICU、芝浦工大、東農大などを除き、その他扱いが488人(件)あるので、日大・東洋あたりが上位に来る可能性はある。

 次に市立浦和。
 
 ここは、ほぼ全大学明らかになっていて、この状態である。
 
 公立をあと2校。
 春日部。
 
 ここも、ほぼ全大学明らかになっている。
 トップは芝浦工大だが、実際の進学者は10人。ついでに日大は4人、東洋は6人が進学している。この数字を見れば、この学校における、これらの大学の位置づけが分かるだろう。

 最後に川越。
 
 ここも、ほぼ全大学明らかになっている。やはりこのレベルでも日東駒専レベルを受ける生徒はそれなりにいるということだ。ただ、実際の入学者は日大が4人、東洋が2人で、春日部と同じ傾向が見られる。

 私立を見ておこう。
 私立は栄東、開智、大宮開成の3校を見て行くが、いずれも中高一貫であるので、高入生だけの公立とは単純には比較できない。

 最初に栄東。
 
 ここは現浪別の発表がなく、国公立・私立とも限られた大学のみの発表なので、コメントできず。

 次に開智。
 
 ここは、中高一貫部に関しては、現浪別、大学・学部別、男女別に細かくデータを出してくれているが、発表している大学が限られている。
 高等部の結果はほぼすべて分かっているので、合格数が高等部のみの数字になっている大学もある。

 最後に大宮開成。
 
 ここは、ほぼ全大学明らかになっていて、この状態である。
 学校ホームページには主要大学しか載っていないが、アンケートには細かく回答してもらっている。

 今回は、前述した1と2の条件をクリアしていると推定される高校を取り上げた。
 2のMARCH20位以内をクリアできても、1の早慶上智20位以内がクリアできていない学校が、いくつかある。
 それらの高校については、追ってレポートしよう。
 淑徳与野は、慶応があと1人多ければ、1と2の条件をクリアできた。惜しい。でも16人合格ですべて現役だから立派なものだ。

 以上、いつもとはやや異なる視点で進学実績を見てみた。