高校は来週あたりから中間考査に入る学校が増えてくるが、中学校はもう終わったかもしれない。調査書の成績をつける都合もあって、1か月もしない11月の中旬以降早くも期末考査がやって来る。3学期制だと、だいたいそんな感じだ。忙しいね。

 調査書点(内申点)を上げる最後のチャンスだから期末考査ガンバレ。
 中学生向けにはそう言ってきかせるのだが、実は期末考査をちょっと頑張ったくらいでは調査書点の上昇はたかが知れている。
 じゃあ嘘を言っているのか。
 いや、それはちょっと違うのだが、そのことは後段で書く。

 3年生のこの段階で調査書点を上げるとしたら基本的には「学習の記録」、つまり9教科の成績を上げるしかない。細かい話を抜きにすれば、基本そういうことだ。
 成績3が成績4に、成績4が成績5になれば、1点上がる。ただ、多くの学校が3年の成績を2倍、3倍する計算方法だから、成績がワンランク上がれば2点ないし3点上がる。すでにオール5の子は別だが、まだ上がる余地がある子が大部分だと思われるから3教科でワンランク上げられれば6点ないし9点上げられる。
 と、計算上はとりあえずそうなる。

 入試は基本的には5教科の学力検査点と調査書点の合計点で争われる。実技や面接が大きな比重を占める学校もあるが、ここでは話を単純化するため、学力検査と調査書の合計点ということにする。

 さて、中堅から上位の各校は第1次選抜(定員の60%~80%程度を決定する)では、「学力検査:調査書」を「6:4」の割合で見る。
 そうすると、学力検査の満点は500点であるから、調査書の方を333点程度とすれば、ほぼ「6:4」となる。
 浦和   (学)500 (調)334
 浦和一女 (学)500 (調)335
 大宮普通 (学)500 (調)334
 市立浦和 (学)500 (調)334
 と、こんな感じになる。

 各校選抜基準を見ると、単純計算では調査書は、浦和320点、浦和一女335点、大宮360点、市立浦和360点と、浦和一女以外は上記の(調)の点数と一致しないが、浦和は元の点数に1.04倍、大宮と市立浦和は0.93倍してもらうと、ほぼ一致する。
 で、ここでも細かい説明は省くが、実はこの1.04とか0.93という数字が、調査書の1点が学力検査の何点に相当するかを表すことになる。
 まあ、ほとんどの学校が1.00前後から1.50前後に収まる。2.00を超えるような学校は選抜の基本方針に「調査書を重視して選抜する」と書いてある。

 以上から、調査書の1点は、学力検査の1点から2点ぐらいに相当することが分かる。
 1教科がワンランク上がり、3年の成績を2倍すれば2点アップ。国語の漢字1題分と同じ。数学の計算問題1題分(4点)に及ばない。
 というわけで、「内申、内申」と大騒ぎするほどのことではないのである。

 が、しかし、大事なのはここからである。
 たかが1点。
 なのだが、この1点にこだわらないやつ、またはバカにするやつは入試には弱い。
 1点でも2点でも取れるものは取っておいたほうがいいに決まっている。
 私が現役の頃と今とでは入試の仕組みは違うが、最後の一人のところに同点で10人も20人も並ぶことだってあるのだ。

 それに今学校でやっているところは入試範囲だろう。
 3年の後半にやる単元は受験生にとって点が取りくいのだ。
 習ったばかりだから有利かと思いきや、問題演習不足で定着せず、逆に点が取れない子が多いのだ。だから、この際、出来るだけやっておいた方がいい。調査書(内申点)が上がると言ってもたかが知れているなどと言ってはいけないのだ。

 というような話を今度の中学生向け記事に書いてやろうかと思っている。