埼玉県教育委員会は10月14日、「令和3年度 埼玉県学力・学習状況調査の結果」を発表した。
 文部科学省が「全国学力調査」を実施しているが、こちらは埼玉県独自の調査である。
 調査時期は令和3年5月11日~20日
 調査対象は県内全市町村の公立小中学校(中学校355、小学校700)の小学4年から中学3年の全児童生徒。
 ただし、さいたま市は除く
 この手の調査では「さいたま市を除く」という例がよくあるが、政令指定都市さいたま市は県の管轄外である。
 できれば、さいたま市の状況も知りたいのだが、政令指定都市は県内にありながら、県とはいろいろな意味で独立した自治体という面もあるので仕方ない。

 調査結果としては、
 1  全ての学年・教科で、学年が上がるごとに着実な「学力の伸び」が見られる。
 2  令和2年度には新型コロナウイルス感染症の影響による学校の臨時休業があったものの、各教科の「学力のレベル」は、過去の同学年と同様のレベルに達している。
 とされている。

 調査結果の詳細は、「過去データを含む調査結果の詳細」で見られる。

 市町村ごとの平均正答率もあるので、塾の先生方などは一読されるといい。
 今日は時間の関係で、中学3年生のみ、市町村別平均正答率の表を作成してみた。
 調査に参加していないさいたま市と、所沢市のデータがない。
 表は、市に限定し、町と村は省いた。
 並び順は人口順である。
 県の発表資料は地域別となっているが、都市の規模との関係を見てみたかったので人口順とした。
 

 中学3年生の場合、数学・英語・国語の3教科とも全県平均を上回っているのは、越谷市・久喜市・朝霞市・戸田市・ふじみ野市・東松山市・和光市・志木市・桶川市・蕨市・蓮田市・白岡市である。
 数学と英語は和光市がもっとも高く、国語は白岡市がもっとも高かった。
 この顔ぶれを見て、鉄道沿線別にやってもよかったかなと思った。

 東武東上線=和光市・朝霞市・志木市・ふじみ野市・東松山市
 宇都宮線=蓮田市・白岡市・久喜市
 東武伊勢崎線=越谷市・久喜市
 埼京線=戸田市
 京浜東北線=蕨市
 高崎線=桶川市
 ※久喜市はJRと東武の両方に登場。

 ある程度予想できたことだが、東武東上線沿線の東京寄りの地域が結構高い数値を示している。
 西武沿線では狭山市が2教科で上回っている。

 宇都宮線は、正直予想外だった。
 さいたま市→蓮田市→白岡市→久喜市を通る路線だが、なかなか強力なラインを形成しているという印象。

 埼京線は戸田市→さいたま市。
 京浜東北線は川口市→蕨市→さいたま市。
 これも強力ライン。

 高崎線は上尾市→桶川市までが高く、北本市→鴻巣市がそこそこで熊谷市で持ち直す。

 東武伊勢崎線(スカイツリーライン)は、草加市を飛ばして越谷市が高く、その先は春日部をスルーして久喜市が高い。

 まあ都市対抗やっているわけではないから、1点2点の差にこだわっても意味はない。
 ただ、募集戦略を立てる際にはこうした地域特性はある程度参考にはなりそう。
 時間のある時にもう少し詳しく見てみようと思う。