本日も部活動取材。
 よみうり進学メディア埼玉版9月号に掲載予定。
 訪ねたのは県立松山女子高校の音楽部だ。

 松山女子は1926年(大正15年)創立。
 間もなく100周年を迎える伝統校だ。
 部活が盛んな学校で、現在行われている四国インターハイにも陸上競技部、空手道部が出場している。
 
 運動部だけでなく文化部も強豪ぞろいで、昨日まで東京で行われていた全国高校総合文化祭に書道部、美術部、筝曲部などが出場している。
 そして、もちろん音楽部も出場している。

◆合唱部じゃなく音楽部なんだ
 同校が出場したのは総文祭の合唱部門なのだが、部としては音楽部。

 合唱部とかコーラス部ではなく音楽部なんだ。
 と、つまらんところに引っかかってしまった私は、ちょっと調べてみた。

 浦和一女・音楽部
 熊谷女子・音楽部
 川越女子・音楽部
 春日部女子・音楽部
 そうか。女子校は音楽部なんだ。

 だが、共学でも。
 不動岡・音楽部
 大宮・音楽部
 市立浦和・音楽部
 蕨・音楽部
 所沢北・音楽部
 伊奈学園・音楽部
 要するに公立は音楽部が多いんだ。
 古い学校が音楽部から始まって、先生が異動してその学校で音楽部を作ってとやっているうちに音楽部が広まった。
 たぶん、そういうことだろう。

 私立の方はどうか。
 星野・音楽部
 淑徳与野・音楽部
 比較的古めの学校だが、これはむしろ例外。
 栄東・コーラス部
 埼玉栄・コーラス部
 春日部共栄・合唱部
 叡明・合唱部
 といった具合で、ほとんどの学校が合唱部やコーラス部を名乗っている。
 ちょっと変わっているのが慶応志木で「ワグネルソサイエティ男声合唱団」が部活名だ。
 ついでだが、たしか男子校である我が母校も「グリー部」だったと記憶している。

 と、つまらん話で字数を稼いでしまった。

◆部名っていうのがあるんだよ
 松山女子の話に戻る。
 
 すまん。また部名の話だ。
 ただ今度は部活動の名称ではなく、部員一人一人の部活動内での名称だ。
 部員たちは「ふに」とか「えら」とか「うい」とか「まある」とか、何かよくわからん名札を胸に付けている。
 当然、それ何よ?と聞いてみたくなる。
 「部名です。部活動中はこれが私の名前です」
 なるほど、一種のニックネームなんだね。
 先輩が後輩に付けてあげるんだって。
 ただ、適当につけるんじゃなくて、趣味や好きなものを詳しく聞いて、過去に重複はないか確かめて、それで付けてあげる。
 ちゃんと、先輩の愛がこもっているんだ。
 先輩と後輩のいい関係が分かるね。

◆ダメ出ししない先生
 高校生が目指す最高峰の大会は全日本合唱コンクールだと思うが、これに通算7回出場し6回連続金賞。
 まごうことなき強豪校である。
 練習はさぞ厳しいんだろうな。
 
 そう。たしかに厳しい。
 というより緊張感がある。
 でも、暗さというのは微塵もなくて、むしろ明るく、時に笑い声も。

 私が最初想像していたのは、
 「ダメダメ」
 「そこ、全然違うでしょう」
 「はい、やり直し」
 みたいな先生からの厳しい指摘の連続。

 でも、そういうのは全くない。
 むろん、何度もやり直しはあるのだが、少なくとも私が見学している間、先生から「ダメ」といった否定的な言葉は一度も出なかった。
 「こういうのもありかな」
 「こんな風にもできるんじゃない」
 そうやって、生徒たちに考えさせる場面は多々あった。
 怒鳴ったり、怒ったりしなくても、ちゃんと強い部活は出来るんだ。
 顧問の吉田みどり先生、さすが。

 一昨日は先生の誕生日だったということで、練習終了後ちょっとしたサプライズがあった。
 部の雰囲気が分かる動画を編集してみたので、どうぞ。
 練習後のサプライズ動画(60秒)