本日、研修会。
聞き手は学校の先生方。
年齢は50代が中心か。
そういう現役バリバリの人々に対し、枯れて腐りかけた七十過ぎのじじいが話をするというのは、あんまりいい絵じゃない。
が、頼まれたら断らないの流儀だから、引き受けた。
お題は簡単に言えば、学校ホームページの制作や運用について。
生徒募集につなげるには、どのように作り、動かせばいいか。
そんな話。
なのだが、自分としてはもう一つ、隠しテーマを用意して臨んだ。
パワポスライドを30枚ほど用意した。
最近は60分程度の講演だと10枚ぐらいしか作らないので大サービスだ。
スライドの数があまり多いと、その説明に終始してしまう。
話し手も聞き手も、
それぞれ手元の資料やスクリーンの画像を見るばかりで、お互い目が合わない。
人間目が合わないと、意思疎通が難しい。
思いが伝わらない。
伝えることを重視したければ、資料やスライドに主役の座を奪われていはいけない。
今日用意したスライドは、たとえばこんな感じ。
もう1枚示すと、こんな感じ。
タイトルは「ベタ白抜き」で統一。
書体はゴシック系の「メイリオ」で統一。
文字色も一色のみで、これも統一。
つまりは、変化より統一感を重視。
空白部分が大きいが、気にしない。
たくさん書くから注意が分散する。
見る(読む)対象が少ないほど集中度が高まる。
文字数(情報)が多いと、それを読むのに気を取られ、話(説明)を聞くのがおろそかになる。
だから、あえて空白部分を多くする。
文字ばかりだと飽きるので、時おり図などを用いる。
ここでも下手に色を使わず、統一感を維持する。
パワポに標準のアニメーション機能をつい使いたくなるが、それも禁止。
大事な情報は、できるだけ長く目に触れていたほうがいい。
初心者ほど、パワポの機能に踊らされる。
あるものは使わなきゃ損とばかり、馬鹿げた機能を使いまくる。
作った本人は満足かもしれないが、見せられる側はえらい迷惑だ。
ここではっきり言っておくが、パワポに備わったさまざまな機能や効果のほとんどは不要だ。
少なくとも中学生相手に説明したり、会議で身内相手に説明するレベルなら、「芸」は要らない。
ということを訴えたくて、とことんシンプルにこだわったスライド作りを心がけた。
たぶん今日の聞き手は先生方だから、その点は言わずとも感じ取ってくれたと思う。
パワポに限ったことではないが、われわれは多機能に心を奪われがちだ。
それを手に入れれば、また、それを使えば、いろんなことが出来るんじゃないか。
スーパーマンに慣れるんじゃないか。
って、そんなこと、あるはずがない。
提供する側(作る側)だって、そんなにたくさんの機能を付けても無駄だと分かっている。
使いこなせるわけねえ。
でも、そうした方がが売れるから、これでもかとクソ機能を付ける。
みんな、目を覚まそうぜ。
シンプルが一番伝わるんだよ。
馬鹿げた機能に頼らなくたって、先生達にはトーク力や説明力という磨き抜かれた武器があるだろう。
そっちを使えよ。
というのが本日講義の隠しテーマであった。
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