「波紋」は大げさだろう。
全国に広めるような話題でもないが、朝のワイドショー番組ネタとしては、こういうのが一番美味しいのだ。
【波紋】運動会で“スマホ撮影禁止” SNS投稿相次ぎ…「カメラならOK」中学校も
こういうくだらんニュースを取り上げたのは、これが正にブラック校則が出来上がるメカニズムそのものなんだよな、と思ったからだ。
SNSへの投稿は、防犯上やらプライバシー上やらの問題があるから、撮るだけとって身内で楽しむ程度にしておこう。
どうしてもSNSに上げたければ、少なくともよその子の顔は出さないようにしよう。
念のためボカシをいれておくか。
待てよ。個人情報だなんだと言うなら我が子も同じことだ。こっちもボカシ入れて。
って言うか、そもそもSNSに上げなきゃいいんだ。
と、こうなる。
さらに。
撮るだけと言ったって、撮りたいのはみんな同じだから、他人の邪魔しないようにしなくちゃ。
譲り合って撮らなくてはいかんな。
何か上手い方法はないかな。
と、考えるのがマナー、というか常識人の思考であって、こういう人ばかりであれば、ルールなど特に定める必要はない。
だが、世の中ちゃんとバカがいる。
自分の頭で考えられない。
善悪の判断ができない。
危険予知能力がない。
他人への配慮ができない。
では、こっちで決めてやろう。
最初は「お願い」ぐらいでいいだろう。
ダメか。
じゃあ、「ご注意」でどうだ。
これもダメか。
仕方ない。
「写真撮影及びSNS投稿に関する規則」。
これでどうだ。
えっ、やっぱりダメ?
大ざっぱ過ぎる?
じゃあ、これしかないな。
「写真撮影及びSNS投稿に関する細則」。
「SNS等と言ってもいろいろあるでしょう。禁止はどこまでですか?」
「Twitter、LINE、Facebook、Instagram、YouTube、TikTokは禁止です」
「ブログはどうなんですか?」
「それもダメです」
「YouTubeも限定公開ならいいんじゃいないですか?」
「それも含めてダメです」
「よく分かんないから禁止するソーシャルメディアを具体的に決めて下さい」
「写真にボカシを入れる(モザイクかける)のは体全体ですか?」
「目だけだと鼻や口や髪型で判別できます。顔全体をぼかしても体型で判別できます。だから体全体です」
「建物や風景はどうですか?」
「地域や学校がバレるので建物や背景にはボカシを入れてください」
「どうやってボカシを入れればいいんですか?」
「photoshopやpaintなどの画像編集ソフトを使ってください」
「photodirectorhaはどうですか?」
「それでもいいです」
「よく分かんないから使えるソフトやアプリを具体的に決めて下さい」
「カメラからスマホに転送できますけどいいんですか?」
「そのような機能を持ったカメラ及びビデオカメラ、それとWi-Fi機能を持ったSDカードも禁止です」
「よく分かんないから禁止するカメラとカードを具体的に決めて下さい」
とまあ、果てしなく続くわけである。
新商品・新サービスが次々と生まれ、人々の行動も価値観もめまぐるしく変わる時代。
詳細かつ個別具体的であればあるほど、そりゃあっという間に陳腐化するだろうよ。
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