今日もまたお茶を濁す。
 お茶を濁すとは、おそらく茶道に関係している。
 流儀に疎い者が、適当にグルグルかき回して茶を出すから、茶を濁す。
 つまり、適当なことを言ったり、書いたりして誤魔化すことだ。

◆教員に戻りたくない
 あるわけないが、もう一度教員に戻りたいかどうか考えてみた。

 よく、若い頃に戻りたいかとか、学生時代に戻りたいかという問いかけがあるが、私はどの時代にも戻りたくない。
 今が一番楽ちんなので、辛く厳しい時代になんて御免だ。
 が、そこを無理して、もしも戻るとしたらと考えてみる。

 その際、タイムマシーンに乗って昔の時代に戻るとは考えない。
 令和の今の時代に教員として蘇るのだ。
 70歳過ぎのジジイのままでは困るので、なぜか私は30代、40代の若さと気力と体力を取り戻す。
 そういう設定だ。
 もちろん、若さと引き換えに経験も失われるので、その分馬鹿になるが、それはやむを得ない。

◆授業は楽しいが
 授業はきっと楽しい。
 授業準備(業界用語で「教材研究」)はいつの時代も大変だが、それが嫌なら先生になるなよという話だ。
 タブレットやICT機器を使い倒す。
 自分で言うのもなんだが、新しいものにはすぐに飛びつくほうだ。

 部活の顧問。
 これもいいよ。特に運動部。
 何だってやる。
 高校生の頃だって部活命だったし、今だって走り続けているくらいだから、こいつは苦にならない。

 事務仕事。
 これまた自分で言うのも何だが、大して頭を使わない単純作業は子供の頃から得意だった。
 すべて手書き、手計算だった昔と比べれば、今はパソコン使えるから楽勝だ。

 生徒募集。
 実はこれ、教員時代やったことがない。
 蘇った私は、これに取り組まなければならない。
 こいつは昔はなかった新たな負担だ。
 でも、やり出したら本気出しそう。

 ということで、ここまでは戻りたくない理由はない。

 保護者対応。
 昔、そんなのなかった。
 だが、今蘇ったら、これをやらねばならない。
 昔はクレーマーとかモンスターペアレンツなんて、言葉さえなかったからね。
 やることなすことすべてを保護者に丁寧にご説明するなんて、面倒くさいったらない。
 こっちはプロなんだからつべこべ言わずに任せろよ。
 なんて言おうものなら猛抗議を受ける。
 これはやりたくない。

 世間の要求に応える。
 保護者だけでなく世間もうるさい。
 学校や先生への注文がやたら多い。
 何をやるにも世間からどう思われるかを気にしなければならない。
 教育的にどうかよりも、世間的にどうかが判断基準になる。
 こいつはやってられん。

 生徒・保護者はお客様。
 まあ、最終的には給料の出どころはそこ、とも言えるから、昔も今もお客様には違いない。
 けど、学校や旅館やホテルじゃないし、テーマパークでもない。
 そこらのサービス業と一緒にされたんじゃたまらない。

 働き方。
 自由にさせてくれ。
 残業減らせとか土日休めとか、他人に言われたくない。
 ちゃんと自分でバランス取りながらやるから。

 と、だいたいこのあたりが戻りたくない理由かな。
 先生は忙し過ぎると言う人も多いが、そういうオマエが忙しさの原因を作ってるんだ。
 少し放っておいてくれないかな。
 ちゃんとやるから。

 そんなわけで、戻りたくない理由も多いわけだが、でもなんだかんだ言っても、生徒と一緒に勉強したり遊んだりは楽しいんだよな。
 難しいところだ。