埼玉県公立入試、今後の倍率推移が気になる人も多いだろう。
今日はその第一弾である。
が、その前。
県からの発表資料があるので、先にそれを紹介しておこう。
埼玉県私立高校の出願状況である。
県学事課による発表資料がこちら。
上記に関する新聞報道はこちら。
「県内最高は24.1倍の栄東高…埼玉県、私立高の応募状況を発表 平均倍率は4.10倍 22日に入試開始」(1月15日 埼玉新聞)
実際には公表された募集人員以上の合格者を出すので倍率にはそれほど大きな意味はないだろう。
県の資料には前年の最終志願者数も出ているので、前年に比べ志願者数が増えているか、減っているかは、ある程度推測できる。
では本題。
第2回進路希望状況調査における普通科倍率上位3校の今後の推移を予想してみる。
◆市立浦和は前年に続き2倍超えか
第2回調査で普通科倍率トップは市立浦和だった。
第1回では3.30倍だった。
第2回では、さすがに3倍は切ってきたが、2.85倍の高倍率だ。
過去4年、この時点での最高は4年度の2.80倍、最低は2年度の2.13倍だった。
上記は、過去4年分の第1回調査、第2回調査、確定倍率の推移を見たものだ。
(ここで確定倍率と呼んでいるのは、志願先変更後の倍率である)
赤のグラフが今年度(令和5年度)である。確定倍率はまだ分からないので、過去の平均値から算出し、点線で示している。
過去4年のデータを見ると、第2回から確定倍率にかけて0.4ポイントから0.7ポイント程度下がっている。
仮に前年度並みに0.67ポイント低下したとしても現状2.85倍であるから2.18倍までしか下がらない。前年の確定倍率が2.13倍だったことを考えても、2倍超のまま本番を迎える可能性が高い。
◆川口市立は初の2倍超えか
第2回調査で普通科倍率2位(2.69倍)だった。
過去4年間、この時点での2倍超えは3回あったので、同校としては例年並みとも言えるが、今回は前年同期を上回り過去最高だった。
過去4年のデータを見ると、第2回から確定倍率にかけて0.65ポイントから0.8ポイント程度下がっている。平均すると0.7ポイント程度の低下だ。
現状2.69倍であるから0.7ポイント低下すれば1.99倍となる。
前年の確定倍率が1.83倍だったことを考えれば、下がっても1.8倍台の後半、場合によっては僅かだが2倍を超える倍率で本番を迎える可能性がある。
◆市立川越は過去最低か
第2回調査で普通科倍率3位(2.01倍)だった。
第2回における倍率は2.90倍(3年度)、2.50倍(4年度)、2.01倍(5年度)と急降下している。
市立浦和、川口市立に比べて、本番に向けての低下率が大きいのがこの学校の特徴だ。商業系2学科も含め人気のある学校だが、前出2校に比べ倍率次第で志望校を変える受験生が多い。
過去4年のデータを見ると、第2回から確定倍率にかけて0.7ポイントから最大で1.3ポイント程度下がっている。
前年度は第2回(2.50倍)から確定倍率(1.48倍)にかけて1.02ポイント下がっている。仮に同じ下がり幅だとすると、今回は2.01倍からなので0.99倍まで下がる計算だが、さすがにそこまでの低下はないだろう。
過去4年で確定倍率の最低は2年度の1.20倍だったが、それに近い水準まで下がり、ここ数年での最低倍率となる可能性がある。
市立川越の場合、気になるのは、商業系2学科(国際経済、情報処理)の動向だ。学校自体の人気にも支えられ、県全体で商業科が低迷する中、常に定員を確保してきた。
だが今回、第2回調査では国際経済が0.76倍、情報処理が0.99倍と、現時点では定員割れ状態となっている。前年同期は両学科とも1.46倍だったから、非常に大きな落ち込みだ。
本日はここまで。
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