「結果はついてくる」は本当か。
 もちろん本当だ。
 だが、忘れてはいけない。ついてくる結果には良い結果と悪い結果がある。
 どっちがついてくるかは五分五分だ。

 受験間近になると、この「結果はついてくる」が横行する。
 この場合、結果とは、良い結果のことである。
 悪い結果がついてくる場合があることは、言う方も聞かされる方も薄々感づいてはいるが、それはないことにする。
 実際に起こりうる現象なのに、それを考えようとはしない。向きあおうとはしない。
 こいつはまずいぞ。

 自分を信じて頑張れば結果は必ずついてくる。
 (自分を信じてというのも何を言っているのか分からんが、それはさておき)
 こういう現実を直視しない、甘っちょろいアドバイスはいかんな。
 ちょっとは気休め効果があるという程度の話だ。

 良い結果をもたらすにはどうしたらいいか。
 悪い結果を招かないためにはどうしたらいいか。
 必要なのはそれを考えることだ。

 いや、その前に。
 あなたにとって良い結果とはどういうものなのか。悪い結果とはどういうものなのか。
 まずはそこからだ。

 そんなの決まってるじゃないか。
 合格が良い結果で、不合格が悪い結果。
 ま、普通そうだね。
 では、ここではいったん、合格が良い結果で不合格が悪い結果という考えを受け入れよう。

 もし良い結果を得たいなら、そのために必要なことを可能な限りやらなければならない。
 必要なことをやらなければ、偶然良い結果を得られることもなくはないが、大抵は良い結果が得られない。
 ただ何となくやるのではなく、そのために必要なことをやりつくす。
 それによってついてくるのが良い結果だ。
 
 結果とは、取り組んだプロセス(過程)次第である。
 プロセスが正しければ良い結果を生むが、誤っていれば悪い結果となる。
 だから、プロセスを徹底的に考える。
 プロセスとは、受験勉強で言えば、残された時間で何を、どうやるかだ。
 
 答えは人それぞれだ。
 なぜなら、受ける学校も、今の実力も皆違うからだ。
 他人に聞いても分からない。
 自分で考えて、自分の答えを見つける。
 むろん誰かに相談してもいいし、アドバイスを受けてもいい。
 だが、答えは自分にしか分からない。

 自分の考えたプロセスで事を進める。
 それが正しいプロセスであるか、誤ったプロセスであるかは分からないが、徹底的考えた上であれば、それに従うしかない。
 プロセスの正しさを証明するのが結果だ。
 ついてきたのが良い結果ならプロセスが正しかったのであり、悪い結果ならプロセスが誤っていたのである。

 というわけであるから、受験生諸君。
 「結果はついてくる」などと都合のいいことを言っていないで、プロセスを冷静に考えなさい。
 頑張り方をよくよく考えないと、ついてくるのは悪い結果だよ。

 「そんなに言うなら、良い結果を出すための正しいプロセスを教えてよ」。
 うん、気持ちは痛いほど分かる。
 でもね。それを自分で考え、自分で決めることが大事なんだ。