埼玉県高校入試、第1回進路希望調査の予習編(続き)
 前回は、定員割れスレスレの学校についての話だった。
 今回は逆に高倍率が出そうな学校について。
 (普通科限定)

◆今年もビッグ3は健在か
 ここで言うビッグ3とは、例年第1回調査で3倍超えの倍率を叩き出している3校である。
 世間ではそのような言い方はしていない。

 市立浦和、川口市立、市立川越。
 昨年第1回では、川口市立(普通)3.66倍、市立浦和3.30倍、市立川越2.95倍なので、市立川越は3倍に達していない。
 だが、昨年を含む4年間の平均を見ると、市立川越3.64倍、川口市立(普通)3.19倍、市立浦和3.03倍なので、ここではビッグ3に入れておこう。

 市立浦和は、ここ2年間、最終的に2倍超のまま本番を迎えた。
 特に人気が落ちる理由は見つからないので、3倍超えは微妙だとしても高倍率は必至。

 川口市立は附属中学校からの内進者含め360人定員。
 内進者の分だけ高入者の枠を減らすのが一般的かと思うが、高入者の募集人員は変わらず280人。
 もし高入者の枠を減らすと4倍、5倍という超高倍率になりかねない。それに、市立3校統合の経緯から見ても、高入者の枠は減らしづらかったというのもあるだろう。
 進学実績も順調に推移しているようだし、今年も3倍超えからのスタートか。

 市立川越は、他の2校とは異質だ。
 市立浦和は県トップレベルの進学校、川口市立も進学校路線を目指している。
 それに対し、市立川越は大学進学を売りにする学校ではない。
 元々が商業高校(川越商業)ということもあり、今でも商業系2学科がある。
 進学校化が難しい構造なのだ。
 が、逆に言えば、進学を売りにせずこの人気というのは大したものだ。
 普通科140人と募集人数が少ないのも高倍率になりやすい一因だ。
 前年は最終的には1.36倍で本番を迎えた。
 やや人気に陰りが見えるのが心配だ。

◆2倍超え6校はすべて1.5倍以下に
 前年、第1回で2倍超えの学校が6校あった。
 これらの学校は、最終的にはすべてが1.5倍以下で本番を迎えた。

 (数字は左が第1回、右が最終)
 越谷南(普) 2.24倍→1.45倍
 上尾(普)  2.16倍→1.21倍
 大宮(普)  2.13倍→1.44倍
 川越南    2.12倍→1.41倍
 浦和西    2.10倍→1.45倍
 越ヶ谷    2.01倍→1.43倍
 
 これら6校は、過去4年間平均でも第1回時点での倍率は2倍を超えている。
 したがって、今年も2倍を超える公算は大であるが、本番では1.5倍以下に落ち着くだろう。
 前年も前前年も、2倍超で本番を迎えたのは市立浦和のみである。このままのはずがない。

◆やや高倍率が予想される学校
 ここからは、前年含む過去4年間平均から見て、今年も第1回では比較的高倍率が予想される学校である。
 
(数字は第1回倍率の過去4年間平均)
 鳩ヶ谷(普)1.93倍
 蕨(普)  1.86倍 
 所沢北(普)1.82倍
 大宮北(普)1.81倍
 南稜(普) 1.80倍
 浦和南   1.78倍
 熊谷西(普)1.72倍
 和光国際(普)1.66倍
 越谷北(普)1.57倍
 深谷第一  1.54倍
 入間向陽  1.51倍
 与野    1.51倍
 川越    1.50倍

 1.50倍とは、3人に1人は不合格ということであるから、なかなか厳しい倍率だ。
 仮に320人募集であれば480人が受験し、160人は不合格。
 しかしこれは実際にはあり得ない数字。
 というのは、前年入試で1.50倍超えで本番を迎えたのは、市立浦和、川口市立(普通科と普通科スポーツ科学コース)、浦和のみであるからだ。
 
 受験生の皆さんには、落ち込んだり慌てて志望校を下げたりせず、冷静に数字を見るように言ってあげてほしい。