老人にありがちな昔話である。
今から20年近く前だったと思うが、正確な記憶はない。
記憶はないが記録は残してあるはずなので、いつか探してみよう。
ある学校(私立)のWEBサイト構築と運営に関わった時の話だ。
携帯電話はあったがスマホはまだなかった。
YouTubeと言っても「なにそれ?」という時代だ。
パソコンはかなり普及していた。
LineもTwitterもFacebookもほとんど話題になることはなかった。
しかし、そう思うと、世の中の進歩は激しいね。
が、それは今日の本題ではない。
◆ホームページの方向性
WEBサイト(ホームページ)の構築にあたり、私は次のような提案をした。
目指す方向性は3つである。
3つのテーマを追求しよう。
1 面白さ
2 便利さ
3 詳しさ
以上であるが、ここに示した番号は手掛ける順番でもある。
【面白さ】
まず「面白さ」の追求であるが、これには動画が必須である。
これからは、文字だけあるいは文字プラス写真の時代から動画の時代になるだろう。
実を言うと、自分の会社が動画制作を業務の一部としていた事情もある。
下心込みの提案である。
さて、10年20年を経て、時代はどうなった。
今や学校広報に動画は無用などと言う人はいないだろう。
どこの学校も多かれ少なかれ動画を取り入れている。
私が予想し得なかったのは、スマホやタブレット、そしてSNSの普及だ。
動画配信は必ずしもホームページのみが追求するものではなくなった。
むろんホームページでの動画配信が廃れたわけではないが、主役はSNSに移った。
【便利さ】
最近は滅多に使われなくなったが「双方向性」という言葉がある。
ホームページには発信機能だけでなく受信機能もある。
その特徴を生かそうではないか。
で、さしあたり提案したのがインターネット出願と説明会等の申し込みシステム。
この機能をホームページに持たせよう。
(これまた業務の一部だったので下心あり)
ただ「見せるだけ」「見るだけ」のホームページではなく「(便利に)使えるホームページ」にしようというのが第二の方向性だったが、これもあっという間に進化した。
どこの学校も当たり前のように取り入れている。
ということで、第一、第二の方向性は、今や常識となった。
となると最後に残ったのが第三の方向性「詳しさ」である。
【詳しさ】
情報には次々と流れて行くもの(フロー情報)と長くとどめ蓄積して行くもの(ストック情報)がある。
InstagramやxなどのSNSはフロー情報を流すのに適している。
日々消費されて行く情報であり、鮮度が命。
ここでは詳細は流せない。
だから結局は「詳細はホームページへ」となる。
私は、ホームページに残された最後の役割は、「詳しさ」ではないかと今のところ考えている。
ホームページはSNSと違って、明確な意図を持ってやって来る人が多いはずである。
何かを知りたい。
細かく知りたい。
深く知りたい、
正確に知りたい。
せっかく何かを詳しく知りたいとやって来た人に、学校案内パンフレットに毛が生えた程度の情報提供では落胆させるだけだし、下手をしたら学校の信用すら損なってしまうだろう。
もちろんホームページにフロー情報があってもいいし、なければ困るのだが、ホームページの真骨頂はストック情報にある。
ストック情報はSNSでの配信には限度がある。
というかSNSはそこを目指してはいない。
ストック情報の発信はホームページだからこそ可能になるのである。
私が年がら年中、学校ホームページを訪問しまくっているのは読者の皆さんもご存じだろう。
今後は「詳しさ」を一つの視点として見て行こうと思う。
公立の場合、サーバー問題など個々の学校単位では解決困難な部分があるのは承知している。
運よく県教委の方がご覧になっているとしたら、この際お願いしておこう。
ホームページはストックが命であるから、それに耐えうる体制を整備していただきたい。
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