心配された大雪による混乱はそれほど大きくはなかったようだ。
 ということで、本日は春日部市内の私立高校に行ってきた。
 まあそんな持って回った言い方をする必要はあるまい。
 春日部共栄である。

 先週土曜日はブログでも書いたように熊谷女子に行った。
 たまたま熊谷市から春日部市という流れになったわけだが、実はこの二つの市、よく似通った市として私の中では同じグループに分類されているのである。
 共通点は、人口減少が進み、将来が心配な町(市)であることだ。
 むろん、この少子化の時代、同じような市や町はいくらでもある。
 いやむしろ、あてはまらない市や町を探すほうが難しい。

 では、その中で、なぜ熊谷市と春日部市なのか、である。
 両市は埼玉県内63市町村の中で、人口ベストテンに入る、いわば大都市である(あくまでも県内的には)。
 つい最近のブログでも紹介したが、人口順位をもう一度載せよう。
 
  1位 さいたま市 134.6万
  2位 川口市   59.3万
  3位 川越市   35.4万
  4位 所沢市   34.2万
  5位 越谷市   34.0万
  6位 草加市   24.9万
  7位 上尾市   22.8万   
  8位 春日部市  22.7万
  9位 熊谷市   19.1万
 10位 新座市   16.6万
 (2023年12月現在)

 今から約20年前、春日部市の人口は24.1万人で、草加市・上尾市を上回り県内6位だった。
 また、熊谷市は順位こそ変わらないが20.1万人であり、当時10位だった狭山市(16.1万人)と4万人近い差があった。
 だが最新データでは10位新座市との差は2.5~3万人に縮まっている。

 人口減少だけではない。
 高齢化率も高い。
 人口を大きく3つに分ける考え方がある。
 人口構造である。
 ●年少人口割合(0~14歳)
 ●生産年齢人口割合(15~64歳)
 ●老年人口割合(65歳以上)

 ここでは特に「老年人口割合」に注目してみよう。
 春日部市は31.3%、熊谷市は30.2%である。
 この数字だけでは分かりにくいので、人口上位ベストテンに入っている他市と比較してみよう。
 
 さいたま市 23.2%
 川口市   23.0%
 川越市   27.0%
 所沢市   27.4%
 越谷市   25.5%
 草加市   24.6%
 上尾市   27.6%
 春日部市  31.3%
 熊谷市   30.2%
 新座市   25.8%

 「老年人口割合」が30%を超える市町はいくらでもあるわけだが、人口上位ベストテンの中では、春日部市と熊谷市のみが30%を超えている。そして当然ながら「年少人口割合」はその分低いわけである。
 ちなみに「老年人口割合」がもっとも低いのは16.6%の戸田市(人口14.2万人)である。

 もう一つ。
 出生率という視点から見てみよう。
 人口増減は「自然増(減)」と「社会増(減)」の両方から見て行くべきだが、ここでは「自然増(減)」に関わる出生率を見て行く。

 以下は人口1000人当たりの出生率である(令和4年度)。
 なお、太字は人口ベストテンに入っている市である。

  1 朝霞市   8.3
  2 和光市   7.8
  3 戸田市   7.4
  4 八潮市   7.4
  5 さいたま市 7.2
  6 滑川町   7.1
  7 志木市   6.8
  8 富士見市  6.6
  9 越谷市   6.6
 10 吉川市   6.4
 11 白岡市   6.4
 12 上尾市   6.3
 13 川口市   6.0
 14 三郷市   6.0
 15 蕨市    6.0
 16 伊奈町   5.9
 17 蓮田市   5.8
 18 川越市   5.8
 19 所沢市   5.8
 20 草加市   5.6
 
 22 新座市   5.5
 28 熊谷市   5.2
 32 春日部市  5.1

 以上のように、熊谷市と春日部市は、人口1000人あたりの出生数という視点からも、将来に不安を抱かせる数字が出ているのである。

 学校の生徒募集という観点からは、隣接及び近隣を含めた地域(エリア)で考えて行けばいいわけだが、お膝元の衰退が加速している状態が有利なはずはない。
 市や町の問題は、高校が頑張ってどうにかなる話ではないが、自らがおかれている環境が今どうなっているかは知っておいて損はないだろう。

【追記】
 2月7日(水)、この記事の続編となる「埼玉県、人口増(減)が続いている市町村を全調査」をアップしました。