Instagramは生徒募集ツール(メディア)として効果があるか。
このことについては今年度入試が終わった段階でさまざまな角度から検証してみようと思う。
一定の効果があることは初めから分かっていたことだが、問題は効果の程度である。
つまりコストパフォーマンス的にどうなのか。
予算的にはほぼゼロと言っていいくらいだが、それなりに時間と労力を要する。
その意味ではむしろタイムパフォーマンスと言ったほうがいいかもしれないが、それに対し効果がどうなのかは検証しなければならないだろう。
で、そんな中、Instagramの募集効果について触れた動画があったので紹介しておこう。
幸彩学習塾・根岸孝之先生によるものだ。
ここでは特徴的な学校として3校を取り上げている。
杉戸、岩槻、浦和商業。
まず動画を見てもらうとして、私の立場から少し補足をしておこう。
◆杉戸
現在、杉戸高校公式Instagramのフォロワー数は553人である。
公立で学校公式Instagramを開設しているのは23校だが、その中では10番目なので、特に多いというほどではない。
だが、HPでの発信は非常に多く、2月に入って25本(9日まで)の新着情報を発信している。
新着情報が部活発で占められている学校が多い中、ここは25本中、部活発は1本(理科部)のみである。
今年の高倍率の要因はInstagramなどによる情報発信量の多さもあるが、個人的には募集活動のスタートの早さが奏功しているのではないかと思う。
5月の連休明けには早くも始動していた。
みんなが目覚める前に早朝学習をしている生徒みたいなものだ。
倍率は現状1.24倍である。
志願先変更で回避の動きが出ることも予想されるが、過去4年間、「1.04→0.91→1.03→1.02」(受検当日倍率)という定員すれすれの入試をやっていた学校である。
Instagramを含む積極的な広報活動が効果を発揮した一例だろう。
【追記】
休み明け13日朝7時、同校HPに上記動画に関する記事が掲載されていた。
★動画あり★【2月13日(火)の杉戸高校】幸彩学習塾様の「特徴的な倍率の高校3選」に選ばれました。
◆岩槻
現在、岩槻高校公式Instagramのフォロワー数は3.238人である。
公立では断然トップ。
6000人超え目前の花咲徳栄には及ばないが、埼玉栄(3213人)や浦和学院(2747人)といった私立の人気校・大規模校を上回るフォロワー数は見事だ。
HPの方も、2月に入って32本(9日まで)の新着情報を発信している。
うち部活発信が3本、生徒会発信が4本。
動画の中で根岸先生も述べているが、846件もの投稿をしていると撮影技術や編集技術も自ずから向上してくる。
それぞれの学校には校風があり、地域におけるポジションもある。
岩槻のやり方がすべての学校に当てはまるわけではないが、今や花咲徳栄と並んで動画発信のトップランナーと言ってもいい学校なので、参考にしてほしいと思う。
普通科倍率は現状1.18倍である。
昨年より低いが、過去4年間、「1.05→1.08→0.75→1.13」(受検当日倍率)という低倍率入試をやっていた学校である。
これまた動画の中で根岸先生が述べているが、昨年の反動(隔年現象)が予想される中、よくこの倍率を維持したと言えるだろう。
【追記】
13日朝、同校HPに上記動画及び当ブログ記事に関する新着情報が掲載されていた。
Instagram効果の記事・動画
◆浦和商業
現在、浦和商業公式Instagramのフォロワー数は407人である。
専門高校では、杉戸農業、羽生実業、狭山工業、所沢商業、大宮工業、久喜工業が学校公式Instagramを開設している。
この中では杉戸農業がフォロワー数774人とトップで、それに次ぐのが浦和商業だ。
HPの方も活発で、2月に入って14本(9日まで)の新着情報を発信している。
うち部活発信は2本。
同じさいたま市にある大宮商業は2月の新着情報が1件、岩槻商業が0件であるから、情報発信量で圧倒している。
休日にもかかわらず今日も新着記事があった。
浦商が「特徴的な倍率の高校3選」に選ばれた!【校長ブログ】
校長先生はInstagramをチェック(フォロー)しているんだ。
というか、内田校長、自分で撮影して発信しているね。
いろんな場面でお見かけするけど、常にiPadを携えている。
校長すごいな、とは思うが、授業や体験や探求を実践しているのは先生方だということを忘れてはいけない。
素材があってのSNSだ。
現状倍率は商業科が1.21倍、情報処理科が1.50倍である。
商業に関する学科は15校27科あり、現状の全体倍率は1.07倍である。
まずまずの倍率と見えるが、これは学校としての人気が高く、普通科併設である上尾(商業科)、市立川越(国際経済科・情報処理科)、鳩ケ谷(情報処理科)といった学校が引き上げているもので、専門高校は軒並み定員割れなのである。
そんな中、商業科では伝統校・深谷商業(1.22倍)と並ぶ倍率、情報処理科ではトップの倍率であるから、ここもまた積極的な広報活動が功を奏した一例と言えるだろう。
【追記】
13日朝6時、同校HPに当ブログに関する記事が掲載されていた。それにしても朝6時とは…
「授業や体験や探求を実践しているのは先生方だ」【校長ブログ】
以上、少し長めの補足であった。
なお、上記以外にも注目すべき事例はあるが、今回は根岸先生の動画に合わせて3校のみの紹介とした。
◆今年もやりたいSNS研修
以下、宣伝である。
昨年と一昨年、埼玉県立総合教育センターが主催する「中学生・保護者や地域に届く効果的な広報活動推進研修会」で講師を務めた。
2023年6月に実施したオンライン研修会でのタイトルは「ウェブサイトやSNSを活用した学校広報活動」である。
次年度(2024年度)についてはまだセンターの方から研修スケジュールが発表されていないが、もし依頼されるようなことがあればぜひ引き受けたいと思っている。
1年前の段階では公式Instagramを開設している学校はほとんどなかったが、一気に事例が増えたので、面白い話ができそうだ。
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