昨日の記事に学習塾の先生からコメントが入っていた。
当該記事はこちら。
「早くも来期日程を発表した久喜高校へ勝手にアドバイス」(2024年3月13日)
コメント欄で返信しようかと思ったが、こちらで書くことにした。
コメントの内容は「早期の進学イベントが活況を呈していることから、早くから動く人がいるのは間違いない。この時期に年間計画を示してもらう意味は大きい。塾としても、早く動くタイプの人に情報を示せるのでありがたい」というもの。
◆「早くから動く人」に対応した学校
2月に1・2年生向け説明会を開催した大宮高校は希望者多数で抽選となった。
熊谷女子高校も予定定員を超えた。
春日部高校もHPに「ご希望されながら満員のために参加できなかった方々には申し訳ございませんでした」とあるので予定数を超えた。
3月26日に開催予定の川越女子高校も「制限数に達したため受付けを終了しました」とある。
参加者をある程度絞っているせいもあるが、こうした事例から「早くから動く人」がいることは間違いない。
今まで高校側は、「早くから動く人」の存在を知らなかったわけではないだろうが、ある意味放置してきた。
かれらは少数派であり、多数派は夏休み以降に動き出す。
であれば、そこに合わせてリソース(時間・資金・人材など)を集中投入するという考え方には合理性がある。
年がら年中、生徒募集のことばかりやっていられないのである。
事例として挙げた学校は公立としては最大規模の学校であるから、それに応じて教職員の数も多い。
それに対し、規模の小さい学校は教職員数も少なく、生徒募集活動に投入できるリソースにも限りがある。
といった事情も踏まえつつ、それでも可能な限り生徒募集活動の開始を早めようというのが、私の提案である。
◆最初の印象がもっとも強く残る
仮に、似たようなレベルと内容の学校が、A校とB校、二校あったとする。
先にA校が募集イベントを開催し、後からB校が開催した。
受験生は両方に参加した。
この場合、印象に残りやすいのは最初に開催したA校である。
そればかりか、最初に得た情報はその後に得た情報の受け取り方にも影響する。
心理学の方では「初頭効果」と呼ぶようだが、専門ではないので詳しくは分からない。
これはマーケティングの観点からも確かに言えることで、最初に得た感動とか印象の方が強く残るため、2番目以降のイベントは感動も印象も薄くなる。
もし順序が逆だったら、感動も印象も逆になる。
だから、同種のイベントは、「先にやったもん勝ち」となる。
たとえば、ある学校が説明会を開催し、ホスピタリティ精神にあふれた対応をしたとする。
初めてだから受験生・保護者は感動する。
次に、別の学校が説明会を開催した。
同じく歓待した。
しかし受験生・保護者の反応は前より薄い。
人間、同じことで二度感動することはそうそうあるものではない。
客観的に見れば、対応レベルにおいて両校に差はないのかもしれない。
だが、最初に得た感動と印象が強いために物足りないと感じてしまうのだ。
もちろん、逆転は可能だ。
ただ余分なエネルギーを必要とすることになるだろう。
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