札止めという言い方はいかにも古いな。
満員になったので札(入場券)の発売をやめることなんだが。
説明会の話である。
説明会の募集をかけたところ応募者多数で予定人員をオーバーした。
そこでやむなく締め切り。
人気校ではしばしば見られる現象だ。
会場キャパの関係で定員制にするのは仕方ない。
あとは、早い者順にするか抽選にするかの選択だ。
この話は以前にも書いたので、まだの方はぜひお読みいただきたい。
説明会申し込み多数の場合、対処の仕方で「機会損失」を抑える(6月29日)
ここで言っているのは、せっかく説明会を聞きたいと思ってくれた生徒、つまり志願者になる可能性のある生徒を、みすみす逃してしまうのはもったいではないかということ。また、学校の使命として、聞きたいと思っている生徒すべてのその場を提供すべきではないかということだ。
さて、そんな中、杉戸高校がこんな告知(お知らせ)をHP上で発信した。
まず受付終了のお知らせと、参加申し込み御礼。
ここまでは型どおりで、ここで終わってもいい。
だが次に「経過説明」がくる。
「8月2日(金)実施予定の杉戸高校第1回学校説明会ですが、6/26(水)の申し込み開始直後より 例年にないハイペースでのお申し込みが続きました。7/1(月)に予定定員300組600名に達した後も、状況把握のための一時受付停止期間を経ながら、1人でも多くの希望する方々を受け入れるために校内調整を行い、ぎりぎりまで受付を続けてきましたが、ついに7/2(火)23:20にて受け入れ可能限度を超えました。安心安全な学校説明会運営をさせていただくためにも、誠に残念ですが受付終了させていただきました。多くのお申し込みをいただき、感謝いたします」(太字は筆者による)
以上がタイトルにある「史上もっとも丁寧な」お詫びと御礼であるが、ここまで丁寧に説明されたら、間に合わなかった生徒も「気がつくのが遅かった自分にも責任がある」「学校はよくやってくれた」、そう思ってくれるのではないか。
ホームページを通じたコミュニケーションという点で、今回の「経過説明」は非常に興味深いものがある。
が、驚いたのはこの先だ。
「8月5日(月)に、臨時設定のミニ学校説明会(全体会・個別相談)を実施します」とたたみかけた。
突然の臨時設定。短期間によく校内調整できたものだと感心した。
すると、こちらもすぐに満席となった。
40組80人×3回。
つまり120組240人が救済された。
しかし、まだ終わらない。
「9月7日(土)の文化祭一般公開日にも、臨時設定のミニ学校説明会を実施します」とまたもや臨時設定。
こちらは15組30人×3回。
今日のお昼現在で第1部15組は満席、第2部は残り10席、第3部は残り12席と発表されているから、まだ余裕がありそうだ。
ここまで合計すると443組886人が同校説明会を聞く機会を得た。
当初予定通りなら300組600人で終了だが、追加設定により143組286人の「機会損失」を回避したと考えることができる。
追加の286人は、募集定員280人の同校にとってかなり大きな数字だ。
それぞれの学校には募集方針があり、校内事情もあるだろうから、すべての学校がここまでやるべきだとまでは言わない。
ただ、「経過説明」の部分は参考にしてもらえるのではないか。
ちょっとした一言で生徒・保護者の気持ちをつなぎとめることができる。
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