夏休みが終わり、多くの高校が文化祭シーズンを迎える。
 埼玉県では6月開催の学校もいくつかある。
 公立では春日部、不動岡、和光国際など、私立では栄東、開智、春日部共栄、花咲徳栄など。
 なぜか東部地区の学校が多い。

 1学期開催は、秋に行事が集中しないようにという配慮がありそうだ。
 2学期開催にしても、第1週か第2週あたりに行い、その後はできるだけ勉強に集中させたいと考える。
 9月の早い時期であれば夏休みを準備に当てることができ、授業への影響が少ない。

 工業高校や商業高校は、普通科高校が一段落した10月、11月に開催することが多い。
 9月は高校生の就職シーズンであり、文化祭どころではないのである。

◆文化祭はふだんの姿か
 文化祭ではふだんの生徒の様子が見られるから是非行った方が良いと勧める人がいる。
 私も文化祭見学を勧めているいる口だが、「ふだんの姿」という点はどうだろう。

 文化祭は非日常の世界だ。
 こんなものが「ふだんの姿」であったらたまったものではない。
 男子校の文化祭には女装がつきものだが、これのどこが「ふだんの姿」なのだ。

 元教員的な立場からすれば、文化祭など学校行事は、むしろ生徒たちのふだんとは異なる別の一面を発見できる機会なのだ。
 
◆在校生との交流
 学校説明会などと違って、在校生との交流が図れるのは文化祭ならではだ。
 仕事柄、多くの学校の文化祭を訪ねるわけだが、その際は、比較的地味な文化部の展示や発表を好んで見ている。

 そういうところはあまり混んでいない。
 部員たちにいろいろ話を聞くことができる。
 授業見学もよく行くが、授業中に生徒と話し込むことはできないから、生徒と交流できる貴重な機会なのだ。

◆ダンスと軽音のレベル爆上がり
 文化祭と言えばダンス、体育祭と言えばダンス。
 今の若い子たちは年がら年中踊っているね。
 しかもみんな上手い。
 学校でダンスが必修になった影響もあるのかもしれない。

 ダンス部がハイレベルなのは当然として、そうじゃない普通の子たちが普通に上手いから驚く。
 文化祭のステージが一層盛り上がるようになった。

 軽音楽のレベル向上も著しい。
 軽音楽というのは、伝統的なクラシックの対語である。
 昔ならジャズやシャンソン、現代ならロックやポップス、とにかくクラシック以外は全部軽音楽。

 多くはドラム、ギター、キーボード、それにボーカルを加えたいわゆるバンドなのだが、この分野における高校生の成長ぶりは目を見張るものがある。
 昔の文化祭におけるバンドなんて、ただ大音量なだけだったが、今はそうじゃない。
 ちゃんとしたステージになってる。

 そんなわけで、近頃の文化祭は、年寄りも大いに楽しめるのである。