そういう試みがあるとは聞いていたが、ブログで取り上げることもあるまいと思っていたのが、次のニュース。
 
大学生・短大生のための高校教員体験

 埼玉県教育委員会が、教員希望者を増やそうと、県立高校の協力を得て、本年度はじめて実施したもの。
 大学生や短大生が夏休み中である9月の数日間(1週間以内)教育活動を体験する。
 参加資格は「大学生または短大生」。
 教員免許状取得に必要な教育実習とは異なるので、学部や履修科目、学年は問わない。
 一種のインターンシップ(職場体験。就労体験)と言えなくもない。

 教育実習もいい加減面倒なのに、先生になるかどうかも分からない学生の相手をするのは辛い。
 それでもかなりの数の高校が受け入れてくれた。
 全部で20校。
 東部地区が春日部、不動岡など9校、西部地区が川越女子など4校、南部地区が大宮・川口北など4校、北部地区が熊谷など3校。
 トップ進学校あり、女子校あり、工業高校あり、定時制ありと、まずまずの多彩さ。
 東部地区が多く、西部と南部は学校数の割に少ない。
 
 川口北高校のホームページに「高校教員体験って何?」というニュースが載っていた。
 参加申し込み書に希望校(第一希望から第三希望まで)と希望理由を書くことになっているので、希望者がいない学校では成立しないのかもしれない。
 各学生の実施校を割り振るのは県教委で、学生は事前に当該校で面接を受ける。
 面接の結果、受け入れ不可となる場合もあるようだ。

 教育実習ではないので授業を行うことはない。
 あくまでも補助だが、素人の補助などかえって迷惑というのが先生の本音だろう。(個人の感想です)
 その他、学校行事や部活動の補助。
 まあ、面倒みる生徒が一人二人増えたという感覚か。

 それでも、この体験がきっかけで本気で教員を目指そうという学生が一人でも二人でも増えてくれれば儲けものだ。
 また逆に、自分には向いていないようだと思う学生もいるだろうが、それはそれで良い。
 早く次の目標を探したほうが本人のためだ。

 いま県教委は、現役高校生対象に教員の魅力を伝える講座を開いたり、ペーパー免許者の掘り起こしを図ったりと、あの手この手でなり手を増やそうと頑張っている。
 教員採用問題は私の守備範囲外だが、今後ますます激化するであろう人材獲得競争を考えれば、必要な試みであろう。
 効果がありそうだと思うことはどんどんおやりになればいい。

 勤務時間や仕事内容、給与など待遇改善が先という声もあるだろう。
 待遇問題が重要であることは否定しない。
 だが、それだけで先生にふさわしい人材が集められるかというと、そこは難しいところだ。
 「給料が高い」「休日が多い」「残業がない」の優先順位が高く、ずっと下の方に「子供が好き」「教えるのが好き(得意)」があるような先生に、私だったら教えられたくない。
 まずは、先生の魅力を感じてもらい、そのために勉強もしてもらい、安心して志してもらえるように待遇改善を図る(働き方改革を図る)。
 そういうことなのだと思う。