中小企業は人も少なく金も足りない。
 よって、できることが限られ、ますます苦境に陥りやすい。
 やはり企業規模は重要だ。
 という話を高校の生徒募集に当てはめてみようというのが今日の企画だ。

 埼玉県の公立高校は、伊奈学園と川口市立を例外とすれば、その最大規模は360人定員である。
 この多人数の募集に耐えられるのは、歴史が古く、進学実績が優れている、いわゆる上位校である。
 (※360人定員の場合、転編入枠の関係で実際募集では358人となることが多い)

◆360人定員校
 複数学科の合計である場合も含め、学校全体で360人定員となっているのは次の学校だ。
 【東部】
 春日部・春日部東・越谷北・越谷南・草加・不動岡 
 【西部】
 川越・川越女子・川越南・坂戸・所沢・所沢北
 【南部】
 上尾・浦和・浦和一女・浦和西・大宮・大宮光陵・大宮南・川口北・南稜・与野・蕨
 【北部】
 なし

 23校ある。
 (伊奈学園・川口市立を含めれば25校)
 多くは学校選択問題を実施するような上位校であるが、それらに混ざって越谷南・上尾・大宮南・南稜・与野などがしっかりと人数を集めている。

 次に、学校全体で320人募集となっている学校を見てみよう。
◆320人定員校
 【東部】
 越ヶ谷・越谷西・草加東
 【西部】
 朝霞・朝霞西・入間向陽・川越西・坂戸西・所沢中央・所沢西・豊岡・松山・松山女子・和光国際
 【南部】
 岩槻・浦和北・浦和東・大宮東・川口・浦和南・大宮北
 【北部】
 熊谷・熊谷女子・熊谷西・本庄

 25校ある。
 この中で400人以上の志願者を集めているのが朝霞・浦和東・越ヶ谷・市立浦和・浦和南・大宮北などである。
 学校選択問題実施校はここまでに含まれている。
 (例外は市立浦和で320人定員だが高校募集は240人)
 計算上は入間向陽・浦和北・川口・草加東・本庄・和光国際なども総志願者数360人を超えており、仮に360人定員の募集であっても何とか耐えられたということなる。
 逆に、坂戸西・所沢中央・松山などは定員割れとなっており、320人募集が厳しくなってきた。

◆280人定員校
 かつては360人あるいは320人募集であったが徐々に減らしてきた学校だ。
 【東部】
 春日部女子・久喜・越谷東・杉戸・草加南・鷲宮 
 【西部】
 飯能・市立川越
 【南部】
 桶川・川口青陵・川口東
 【北部】
 深谷第一

 この規模から募集に苦戦する学校が増えてくる。
 というか、前述のように苦しんだ結果が今の定員(募集人数)なのだ。
 市立川越は普通科と商業系2学科合計で380人の志願者、杉戸は370人の志願者ということで、この2校は結果的には360人募集でも何とか耐えられたということになる。
 他の学校は概ね苦戦している。

 定員(募集人員)を減らした場合、瞬間的には効果が期待できるが、すぐに減らした人数でさえ苦しむようになる。
 
 なお、今回普通科のみの集計だが、総合学科では久喜北陽が320人定員をクリアしている。滑川総合も280人定員を何とかクリア。
 大宮工業・川越工業・浦和商業・深谷商業といった歴史の古い専門高校も280人定員にぎりぎり耐えているといった状況だ。