本日わけあっていつもと違う場所で書いている。
 いっそ休みにしようかと思ったが、集中しにくい環境の中でも、何か少し書いておこうと思った。
 (なお、明日は月初恒例のインスタ・フォロワー調査を行う)

 以下、大した内容ではないのでさらっと読んでいただこう。

 令和8年度から実施されるであろう私立高校授業料無償化は、日本の高校教育における構造的な転換点となるかもしれない。
 これまで「学費の安さ」という明確なアドバンテージを持っていた公立高校は、その優位性をほぼ失い、私立高校との競争が激化する。
 私立高校は、経済的ハードルが下がったことで、より広い層の生徒を受け入れる土壌が整った。
 これまでもそうであったが、教育内容や学校の魅力で勝負する時代が到来するであろう。

 私立高校にとって、授業料無償化はもちろん大きなチャンスである。
 ただ、場合によっては、高い授業料を逆手に取った特待生制度の機能低下というリスクも孕んでいる。
 これまで学力上位層を経済的優遇で囲い込んできた手法は通用しづらくなるだろう。

 私立が生き残るためには以下のような戦略が求められる。
1. 教育の差別化とブランド力の強化
 進学実績や独自カリキュラム、探究学習、グローバル教育など、教育内容の質と特色を明確に打ち出すことが不可欠だ。
 大学進学を重視する層に対しては、進路指導の手厚さや学習支援体制の充実がこれまで以上に重要となる。
2. 学校文化と体験価値の創出
 部活動の強化、文化祭や修学旅行などの行事の魅力、校舎や設備の快適性など、「通いたくなる学校」としての体験価値を高めることが重要だ。
 SNSや動画などを活用した情報発信も、受験生や保護者の心を掴む手段となる。
3. 地域との連携と社会的役割の明確化
 地域企業や大学との連携によるキャリア教育、ボランティア活動など、社会との接点を持つ教育を展開することで、学校の存在意義を地域に根付かせる必要がある。

 一方、統廃合の波にさらされる公立高校は、従来の「安価で安定した教育」というイメージだけでは生き残れない。
 公立が持つ公共性や地域性を活かしながら、次のような展開が求められる。
1. 地域密着型教育の深化
 地域の課題を教材にした探究学習や、地元企業・自治体との協働プロジェクトなど、地域に根差した教育を展開することで、地域住民からの支持を得ることができる。
2. 公立ならではの多様性
 私立に比べて多様な生徒が集まる公立の特性を活かし、共生や多文化理解、福祉教育などを重視した教育を打ち出すことで、社会的価値を高めることができる。
3. 教員の専門性と教育力の向上
 公立高校の教員は異動が多く、教育の継続性に課題があるとされてきたが、逆に多様な経験を持つ教員が集まる強みもある。
 教員研修の充実や校内研究の活性化により、教育力の底上げが求められる。

 学費という経済的障壁が取り払われた今、保護者や生徒が高校を選ぶ基準は「どんな教育が受けられるか」「どんな成長ができるか」という価値にシフトする。
 公立・私立の垣根を越え、教育の本質が問われる時代が始まる。
 「その学校でしか得られない体験」をいかに提供できるかが、生き残りの鍵となるだろう。