今日も埼玉県内公私立高校では、説明会等の生徒募集イベントが盛んに行われた。
 どこかに取材に行きたいところだが、アキレス腱断裂の一歩手前をさまよっているので大事を取り、できるだけ動かないようにしている。

 本日は、第1回進路希望調査の結果について、もう少し掘り下げてみる。

 県内公立希望者が約2000人(2017人)減った。
 中学生の数そのものが減っているのだから、ある程度の減少はやむを得ない。(中学校卒業予定者数329人減)。
 公立が減った分は、、県内私立希望が1417人、県外希望が457人それぞれ増えており、だいたい帳尻が合っている。 
 
 県内公立希望は2017人減っているが、学科別に見ると、当然ながら普通科の減少が大きく、差し引き1776人減となっている(増えている学校もある)。

 そこで今日は、増減人数を学校別に見ていこうと思う。
 倍率の方に目が向きがちだが、実人数を調べれば、何か見えてくるかもしれない。

◆減少人数が多い学校(普通科)
 次の学校が前年同期と比べたとき、減少数が多い学校である。
01 浦和   -142人
02 川口北  -122人
03 川越南  -109人
04 浦和南  -99人
05 志木   -98人
06 伊奈学園 -96人
07 浦和東  -94人
07 蕨    -94人
09 与野   -92人
10 朝霞   -91人
11 浦和北  -86人
12 市立川越 -80人
13 越谷南  -68人
14 飯能   -67人
15 川口市立 -66人
16 本庄   -64人
17 浦和一女 -62人
18 大宮光陵 -58人
19 川口青陵 -57人
20 小川   -56人
21 所沢西  -54人
22 久喜   -50人
23 川越   -49人
 ※川口市立はスポーツ科学コース、大宮光陵は外国語コースも含む増減)

◆増加人数が多い学校(普通科) 
 上記とは反対に、前年同期と比べ増加数の多い学校である。
01 大宮   +115人
02 所沢   +66人
03 岩槻   +48人
04 豊岡   +42人
04 鷲宮   +42人
06 春日部東 +39人
07 草加東  +37人
08 和光国際 +36人
09 新座柳瀬 +33人
09 深谷第一 +33人
11 熊谷西  +31人

 減少数の多い学校の中に、浦和、川口北、川越南、蕨、川口市立、浦和一女など学校選択問題を採用している上位校が含まれている。

 浦和が144人減、浦和一女が62人減、合わせて206人減。大宮が115人増なので、浦和・浦和一女から大宮への流れがある程度あったのではないかと推測できる。
 川越(-49人)、不動岡(-32人)、春日部(-27人)、市立浦和(-6人)など、トップ3に次ぐレベルの学校がいずれも希望者を減らしているところをみると、多くの上位層が県内外の私立に流れているのではないかと考えられる。

 川口北(-122人)と蕨(-94人)も大きく減らしている。地域的に川口市立への流れが考えられるが、川口市立も(-66人)だ。浦和西も(-20人)。ここでも県内外の私立への流れがあったと考えられる。

 公立普通科だけで1800人近い減少があったわけだから、希望者の増減は公立間だけで起こっているはずはなく、当然、県内外私立への大量流出があるわけだ。
 そこで考えなくてはならないのは、公立から私立への流れが、主に上位層で起きていると推測できる点だ。
 これは、少なくとも真ん中より上の生徒をとりたい私立にとっては大変好ましい傾向なのだが、さあ、どうする公立。