埼玉県教育委員会ではその年度の入試を前に、2回の進路希望調査を実施している。
教育委員会が実施する調査であるが公立中学生だけでなく私立中学生も調査対象となっている。
第1回調査は10月1日現在、第2回調査は12月15日現在の調査である。
第1回と第2回の間に、中学校では定期考査(中間、期末)があり、三者面談なども行われる。
模試など外部試験もある。
各高校の説明会、個別相談なども盛んに行われる。
したがって、第2回の調査では、第1回と比べれば、かなり現実的な学校選択となるのが普通だ。
さてそこで。
今日は、第1回と比べて、「上がる学校」、「変わらない学校」、「下がる学校」のうち、「下がる学校」、とりわけ「大きく下がる学校」を、過去データをもとに見て行こう。
◆過去6年間の平均変化率から推測
今回参考にするのは、令和2年度入試から7年度入試まで6年間の、第1回調査から第2回調査にかけての平均変化率である。
具体的に説明しよう。
上尾高校・普通科の場合である
同校は令和2年度入試で第1回は2.35倍だったが第2回は1.66倍に下がった。マイナス0.69ポイントの低下である。
令和3年度は第1回2.26倍から第2回1.68倍へとマイナス0.58ポイントの低下。
令和4年度から令和7年度までも第2回にかけて低下しており、この6年間、平均でマイナス0.52ポイント低下している(平均変化率 -0.52)。
仮にこの平均変化率を今年度に当てはめると、第1回が2.36倍であったから、「2.36-0.52」で、第2回倍率は「1.84倍」という数字が出てくる。
では、考え方(計算の仕方)が分かったところで、平均変化率が大きく、第1回から第2回にかけて大きく倍率が下がりそうな学校を見て行こう(普通科のみ)。
(数字は第1回から第2回にかけての平均変化率。なお、募集人員の増減があった年度はの倍率はその影響を受けていることが多いが、今回はその点は考慮していない)
01市立川越 -1.21
02川口市立(普) -0.83
03市立浦和 -0.62
04上尾(普) -0.52
05川越南 -0.47
06浦和西 -0.42
07越谷南(普) -0.37
08大宮(普) -0.33
09所沢北(普) -0.31
10越ヶ谷 -0.29
以上の学校に共通しているのは、過去6年間、第1回から第2回にかけて、倍率が上がったことは一度もないことである。したがって、今年も第2回でが倍率が下がると考えて間違いない。第1回がピークで、第2回は下がる。しかも大きく下がる。
◆平均変化率から予測した第2回倍率
以下は、上記の平均変化率から算出した第2回の倍率予測である。
(数字は左から第1回倍率、平均変化率、第2回予測倍率の順)
▼川口市立(普)
3.01 -0.83 2.18
▼市立浦和
2.75 -0.62 2.13
▼大宮(普)
2.29 -0.33 1.96
▼上尾(普)
2.36 -0.52 1.84
▼市立川越
2.99 -1.21 1.77
▼越谷南(普通)
2.12 -0.37 1.75
▼浦和西
2.08 -0.42 1.66
▼越ヶ谷
1.70 -0.29 1.41
▼所沢北
1.55 -0.31 1.24
▼川越南
1.65 -0.47 1.17
川口市立は第2回時点では2倍台になることが予想され、3倍超の学校は姿を消すだろう。
市立浦和は第2回時点では2倍台を維持しそうだ。
大宮は過去6年間、第2回で2倍を超えたことはないが、今回の2.99倍は令和に入って最高倍率であり、第2回でも2倍台にとどまる可能性もある。
市立川越は過去6年のうち5回は第1回が3倍台だった。令和5年度だけ第1回が2.95倍で、その時は第2回は2.01倍だった。今年は2.99倍からのスタートなのでやや下がり方も小さく、第2回では2倍台か1.8~1.9倍にとどまる可能性もある。
川越南は令和2年度から6年度までの5年間、いずれも第1回は2倍台だった。しかし、令和5年度以降は、2.12倍、2.05倍と下がり、昨年第1回は1.95倍とはじめて2倍を割った。今回はさらに大きく下がり1.65倍からのスタートなので、計算上は第2回1.17倍だが、下がり方はやや緩やかで1.2~1.3倍台にとどまる可能性もある。
以上は、過去データに基づいて第2回倍率を予測したものである。
ここに登場した各校は、第2回から実際の出願にかけて、さらに大きく変化する(大きく下がる)のがこれまでの経験だ。
以上であるが、「たった10校紹介されてもな」、と思われる方もいらっしゃるかもしれない。
なので、平均変化率だけもう少し紹介しておこう。
浦和南 -0.28
熊谷西(普) -0.26
所沢 -0.26
蕨(普) -0.26
入間向陽 -0.24
深谷第一 -0.24
越谷西 -0.23
所沢西 -0.23
南稜(普) -0.23
鳩ヶ谷(普) -0.22
本庄 -0.20
これらの学校は、過去6年間、第1回から第2回にかけて倍率は下がっているので、今年も同様の動きとなることが予想される。

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