春日部女子高校久喜高校が合同説明会を開催する、と両校のホームページに出ていた。
 題して「女子校合同説明会」。

 春日部女子は明治44年(1911年)創立、久喜は大正8年(1919年)創立、共に100年以上の歴史を持つ伝統校だ。
 両校とも部活が盛んであるが、最近のトピックスはやはりこれだろう。
「関東高校駅伝 春日部女子 初の都大路」

 この合同説明会、年度当初の予定にはなかったので、急きょ開催が決まったと思われる。

 時期としては遅いのだが、それは中3生だけを対象と考えた場合だ。
 今回、対象を「女子中学生」としているので中1・中2も参加可能。中1・中2対象と考えればむしろ早い方だ。令和9年度入試についても選抜方法・選抜基準などについて具体的な話ができる時期である。

◆合同説明会、さまざまな枠組みで
 説明会は大別して、学校が主催するものと、企業など第三者が主催するものと二種類ある。
 学校が主催するものは、基本単独開催である。
 今回のように合同で実施するものがなかったわけではない。現に今年1月、私は「比企地区4校合同説明会」に講演会講師として呼ばれて行ってきた(比企4校は松山・松山女子・小川・滑川総合)。
 5月には春日部高校が中心となり、これに春日部女子・春日部東・不動岡が加わり、合同で説明会が行われた。
 私立に目を転じれば、毎年GW中に行われる「東部私学の集い」なども合同説明会と言えるだろう(叡明・開智未来・春日部共栄・昌平・花咲徳栄)。

◆学校側と受験生側、双方にメリットがあるか
 合同説明会で、受験生側は一度に多くの学校と接触できる。多くの情報を入手することができる。
 学校選びの最終段階では、単独で行って欲しいが、まだ入試の仕組みさえよく分かっていない初期の段階では、幅広い情報を得られるのは有難い。

 一方、学校側も、運営面でのコスト削減につながる可能性がある。会場借用料を折半したり、動員する教員の一校当たり人数を減らせるからだ。
 そして何より重要なのは、お互いの集客力を利用し合えることだ。
 さらに言えば、これまで接点を持ちにくかった異質な受験者層へのアプローチが可能になるかもしれない。

 地域で集まれないか。
 沿線で集まれないか。
 カテゴリー(学科など)で集まれないか。
 
 ただ一緒にやればいいというものではない。
 自校にとってのメリットを考えてみなければならないのは当然だが、それより優先されるのが、一緒にやってあげることで、お客(受験生・保護者)にどんなメリットを与えられるかである。